海外発!Breaking News

writer : tinsight-iruy

【海外発!Breaking News】900万円以上を受取り空っぽの枠だけを送ったアーティスト 「お金を持ち去ったことが今回の作品」と主張(デンマーク)

「お金を取って逃げる(Take the Money and Run)」とタイトルが付いていた。

美術館側は作品に使うための紙幣をイェンスさんに渡したにもかかわらず、それらは作品に全く使われていなかったのだ。同美術館は、展覧会が終了する来年1月16日までに返金するという契約をイェンスさんとの間で結んだという。

館長のラッセ・アンダーソンさん(Lasse Andersson)は「展覧会の2日前に、イェンスさんから作品を送ったというメールが届きました。私たちはお金のある美術館ではないので、資金をどのように使うのか慎重に考えなければならず、支払い可能な範囲を超えて使うことはできません」と苦しい財政状況を明かし、イェンスさんの行動に苦言を呈した。

しかしイェンスさんは「私が彼らのお金を持ち去ったことが今回の作品なのです。これは窃盗では無く契約違反です。契約違反もこの作品の一部なのです」と地元ラジオで主張しており、契約に従ってお金を返金する意思はないとのことだ。

これまでの作品と似たようなものを作るとなるとお金が足りないと話すイェンスさんは、「私と同じように酷い労働条件で働いている人々に、同じことをするようにお勧めします。もし最悪な仕事に就いているのに満足に給料が支払われておらず、お金を払ってまで仕事に行くように言われているのであれば、できる限りのことをして立ち去るのです」と作品の意図を明かした。

同美術館はイェンスさんの作品に納得していないながらも、空っぽの枠組みを先月24日から始まっている「Work It Out」という展覧会の作品の1つとして飾っている。

ラッセさんは「私たちはアート作品を展示する場所であって、パフォーマンスアートを作っているわけではありません。皆さんと同じように困惑していますよ」とコメントしている。

なお美術館はイェンスさんが返金を行わない場合には、警察に通報することを検討しているという。

画像は『NPR 2021年9月29日付「For $84,000, An Artist Returned Two Blank Canvasses Titled ‘Take The Money And Run’」(Niels Fabæk/Kunsten Museum of Modern Art)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

「お金を取って逃げる」というタイトルのイェンス・ハーニングさんの作品(画像は『NPR 2021年9月29日付「For $84,000, An Artist Returned Two Blank Canvasses Titled ‘Take The Money And Run’」(Niels Fabæk/Kunsten Museum of Modern Art)』のスクリーンショット)

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