そのまま車内での出産を余儀なくされた。
フィルさんは999(緊急ダイヤル)に電話し指示を仰ぎながらハンナさんの介助を行い、何とかルビー・ルーちゃんを取り上げることができたという。
そして出産から8分後の午前2時22分に救急隊員4名と救急車2台が現場に到着し2人は病院へと搬送された。
フィルさんはその時の様子についてこう明かしている。
「ハンナが破水してから数分後にはルビー・ルーが生まれました。彼女はレギンスを脱ぐ暇もないほどで、すぐに頭が出てきたんです。私は片手で娘を抱き、もう片方の手でへその緒を握っていました。生まれたばかりの赤ちゃんは石鹸のように滑るので、落としてしまわないかビクビクしていました。一時はルビー・ルーが真っ青になってしまい、本当に怖い思いをしましたが、幸いにも救急隊員がすぐに駆けつけてくれて2人のケアをしてくれたので助かりました。また病院でのアフターケアも素晴らしかったです。」
健康状態が良好であることが確認された2人はその日のうちに退院し、現在ルビー・ルーちゃんは姉であるミリーアンさん(Millie-Anne、14)とミヤさん(Mya、10)と一緒に家族5人で仲良く暮らしているとのことだ。
ハンナさんは生後間もないルビー・ルーちゃんの様子について「体重6ポンド8オンス(2948グラム)で誕生した娘はミルクを飲んで眠ってゆっくりと過ごしています。彼女は本当にいい子で、会う人すべてに多くの幸せをもたらす夢のような存在です」と語る一方で、「出産時のことがトラウマになっていて、私はあの時のことをずっと考えています。本当にショックな出来事で、いまだに受け入れられずにいるんです。幸いにも私たち親子は無事で今は元気にしていますが、へその緒がちぎれたせいで出血していたかも知れないのですから」と話している。
なおウォルソール・マナー病院産科のジョー・ライト副部長(Jo Wright)は、今回の出来事について次のように述べている。
「ハンナさんの出産について、彼女が望んでいたものではなかったと聞き申し訳なく思っています。今回起きたことについては現在調査中ですが、私たちはハンナさんをサポートするため連絡を取りました。結果が明らかになり次第、ハンナさんと面会する予定です。そして今後は利用者のためにサービスを強化する所存です。」
画像は『BBC News 2023年1月5日付「Aldridge woman gives birth on drive after being sent home from hospital」(HANNAH MITCHELL)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)