岸からその様子を見ていたレナンさんは居ても立ってもいられずに行動を起こしたという。

レナンさんは「あのまま放っておいたら、男性は自分の目の前で死んでしまうと思った。彼はもう足が動かすことができないほど疲れ切っていたからね」と当時を振り返り、このように語った。

「気付いた時には海に飛び込んでいたよ。全てがあっという間に起きたんだ。過去に浅瀬で人を助けたことはあったけど、あんな荒れた海での救出は初めてでね。潮の流れが速く岩がゴツゴツした場所で、命の危険さえ感じた。とにかく必死だったよ。」

なおレナンさんはその後、ボディボードを漕ぎながらデメトリオスさんを連れて水深が深い場所へと移動、2人はヘリコプターに引き上げられて砂浜へと運ばれた。

ちなみにデメトリオスさんは、病院で痣などの手当を受けたものの命に別状はないそうで、レナンさんは「彼のことは知っているよ。よくビーチで見かけるし話をしたこともある。命が助かって本当に良かった」と無事を喜び、時折感極まりながらこう続けた。

「実は僕の幼少時代はトラブル続きでね。14歳で家を出て犯罪に手を染め、6年も刑務所に入っていた。だからこの救助をきっかけに、人々に“ヒーロー”と呼ばれてとても嬉しく思っているよ。」

そして「僕は彼の命を救いたかっただけで、何かが欲しくて海に飛び込んだわけではない」と述べると、「これからはもっと胸を張って生きていけそうだ。それになんだか良いことがありそうな気がしているよ！」と声を弾ませた。

画像は『Renato Alexandrino　2022年4月16日付Twitter「Conversei com Dudu Pedra」「Imagens impressionantes de um resgate hoje em São Conrado」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　A.C.）