メイヴィスさんはストレッチャーから降りることはできなかったものの、青い空の下で気持ちの良い海風を満喫した。
レイさんは「メイヴィスさんは感激していましたよ。クジラの姿も見つけていましたね」と当時を振り返る。30分ほど時間を取り、デイヴさんとレイさんと並んでゆっくりと海を眺めたメイヴィスさんは、満足そうな笑顔で救急車の中へ戻った。「メイヴィスさんは私の手を握って、ずっと『ありがとう』と言っていました」と話すレイさんは、無事にメイヴィスさんを緩和ケア施設へ送り届けた。
ところがこの翌日、デイヴさんとレイさんはメイヴィスさんが亡くなったことを知った。「彼女は自分の命がもう長くないことは分かっていて、車内で『もう(死ぬ)心の準備はできている』と言っていました。でも、まさか翌日に亡くなるとは…。ショックでしたね」とレイさんはコメントし、デイヴさんは「誰かの最後の旅のために行動を起こすことができ、良い体験となりました」と述べた。
デイヴさんによると、これまでも今回のように特別な旅を可能な範囲で提供するように努めてきたという。数年前にも、脳腫瘍を患った女性の「最後にもう一度ビーチに行きたい」という願いを叶えたそうだ。
なお2019年2月には、「夫とビーチで夕焼けが見たい」と願う末期がんの女性のため、病院や救急隊の協力を得て、最期の願いが叶えられたケースが話題を呼んでいた。
画像は『NSW Ambulance 2023年7月2日付Facebook「ONE LAST LOOK: Wauchope paramedics Ray and Dave were transferring 85-year-old Mavis to a palliative care unit last week when she mentioned something special.」』『ABC News 2023年7月5日付「Wauchope paramedics take palliative care patient for final trip to the beach」(Supplied: NSW Ambulance)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)