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writer : ac

【海外発!Breaking News】余命僅かな人の“最期の願い”叶えるべく奔走する男性「人を助けることが生きがい」(オランダ)

「死ぬ前にもう一度海が見たい」「大好きだった桜の花を見てみたい」「孫の結婚式に出席したい」「サッカーの試合を見たい」―こんな願いを叶える救急車が注目されている。ロックダウン(都市封鎖)中のオランダでも休むことなく走り続ける救急車の話題を『LADbible』『Daily Mail Online』などが伝えた。

ロッテルダム=アルブランツワールト(Rotterdam-Albrandswaard)を拠点に活動するNPO団体「Stichting Ambulance Wens(Ambulance Wish Foundation)」は、2007年4月に元救急車の運転手キース・ヴェルボーさん(Kees Veldboer、60)によって立ち上げられた。団体の目的は「余命短い人々のために救急車で“最期の願い”を叶える」というサービスで、これまでの利用者は14000人を超えている。

家族とビーチで過ごす母親(画像は『Stichting Ambulance Wens Nederland 2020年3月29日付Facebook「Beste Lezer, Stichting Ambulance Wens vervult gemiddeld dagelijks 6 laatste wensen per dag, dit met 270 zeer enthousiaste medisch geschoolde vrijwilligers en speciaal ontworpen ambulances.」』のスクリーンショット)

団体の運営には270人の医療従事者のボランティアが関わっており、救急車は無料で依頼できる。救急車を運転するのは警察官や消防隊員のボランティアが多く、車内には必ず医療従事者が1人乗り込んで万が一の場合に備えている。

サッカー場で選手たちに囲まれる男性(画像は『Stichting Ambulance Wens Nederland 2020年2月21日付Facebook「Gisteren kon deze meneer toch nog naar een wedstrijd van zijn club SC Cambuur.」』のスクリーンショット)

キースさんがこの活動を始めたのは、救急車の運転手をしていた2006年11月、患者のマリオ・ステファヌットさん(Mario Stefanutto)をある病院から他の病院に移送する際、受け入れ側の病院の準備が整わなかったことがきっかけだった。

時間ができたキースさんが「何かしたいことはありますか?」とマリオさんに尋ねると、「自分はクリスマスまでは生きられないだろう。3カ月も過ごした病院へ戻るよりも運河を見たい。船員だった自分が人生の多くを過ごした海を眺めたい。最期にロッテルダム港にさよならが言いたい」という答えが返ってきた。キースさんはそれならと、

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