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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】「愛犬に会いたい」末期がん女性の最期の願い 病院も協力(ブラジル)

ペットを愛する家族にとって、その子はもはや家族の一員だ。我が子のように可愛がり大切に世話をする飼い主は、ペットとの間に特別な絆を築いている。そして多くのペットが飼い主の心情を察し、愛と忠誠心をもって応えているのではないだろうか。飼い主もそんなペットが可愛くて仕方なく、もし離れ離れになってしまったら寂しさが一層募るだろう。

ブラジル南部のポルト・アレグレ市で末期がんを患うレバーネ・チリさん(49)はこれ以上闘病を続けることにほとほと疲れてしまったのだろう、医師にこれ以上の治療を受けないことを伝えた。だが、死期を待つ彼女にとって切に会いたいと願うのは可愛がっていた愛犬“リッチー”だった。

長い間入院していたためにもう随分と会っておらず、レバ-ネさんは我が子のように可愛がってきたリッチーが気がかりだった。そこで息子ジェイムズさんは母の最期となるであろう願いを叶えるべく、病院側にレバーネさんの気持ちを伝え、母と愛犬を会わせてもらえるように頼んだ。通常は病院内に動物を持ち込むことは衛生の問題もあり考えられないことだが、病院側は特別な部屋を用意し、そこでなら犬に会わせてもいいと許可を出したのだ。

後日、家族が見守るなか特別にあてがわれた部屋でレバーネさんは久しぶりに愛犬リッチーとの再会を果たした。酸素マスクをつけながら弱々しくベッドに横になっているレバーネさんを見たリッチーは、ちぎれるほど尻尾を振りレバーネさんに飛びついて愛情を示した。

レバーネさんの姉は『Globo.com』に「レバーネにとってこの犬は我が子も同然なんです。リッチーが生後3か月の頃からずっと可愛がってきました。今回、痛みをこらえながらでもリッチーに会えたことで妹はとても喜んでいます」と語っている。

また、その時のレバーネさんは大好きなリッチーに会うために服を着替え口紅までつけたという。「ママは元気よ」というレバーネさんなりの精一杯の気持ちをリッチーに伝えたかったのかも知れない。

病院の精神科医バーバラ・ヘック医師は、「私たち医療チームは、レバーネさんの気力に変化が見られたことに気付きました。患者は誰かとの深い愛情を認識した時に、病に打ち勝つ気力を見せることがあります。それは人であっても動物であっても同じです。レバーネさんはリッチーに会って以来、話がよくできるようになり、行動もアクティブになったことを感じました」と述べたという。

末期がんの症状に変わりはなかったレバーネさんだが、大好きなリッチーと最期に会えたことでほんの少しでも変化が見られたことは、家族はもちろんレバーネさんにとっても大きなことだろう。がんを治すことはできなくとも、愛犬の姿がレバーネさんにとっては心からの癒しになったことは間違いない。

昨年10月に撮影されたレバーネさんとリッチーの最期の対面はYouTubeで公開され、その再生回数は65万を超えている。

出典:http://aidjournal.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)