その後カメラを構えていた場所からジャンプして岩陰に隠れた。

ハリーさんは当時のことをこのように語っている。

「最初はまさか雪崩が自分に向かってくるとは思わなかった。ただすぐに岩陰に隠れたほうが安全だということも、自分が危険を冒して撮影を続けているのも認識していたよ。」

「自分は冷静でいたし、怖いとは思わなかった。それよりも『これは一生に一度のチャンス。撮らない手はない』という気持ちが強かったね。」

「ただ雪が迫ってくると辺りは一気に暗くなり、呼吸が苦しくなった。怖くて体が震え、もしかしたら死んでしまうかもしれないと思ったよ。岩の中はまるで猛吹雪が来たようだったからね。」

幸いなことにハリーさんを襲った雪崩はパウダースノーで、雪の中に埋まってしまうことも怪我をすることもなかったという。またハリーさんの後方にいたグループも、2人が脚を切るなどの怪我をしたものの命に別状はなかったそうだ。

なおハリーさんには「なぜ逃げなかったの？」という質問が相次いだそうで、本人は「映像では分からないけど、自分が立っていたのは切り立った崖の上でね。後ろは絶壁で、逃げるとしたら雪崩に向かって行くしかなかった。ただそばにちょうどいい岩陰があったから、そこに隠れることにしたんだよ」と答えている。

またこの動画には「雪崩は時速200キロにもなるというよ。隠れる場所があったことは本当に幸運だった」「私だったらあんなに冷静ではいられないだろうな」「これは怖い」「私があの場所にいたら、まさか雪崩が目の前に迫ってくるとは思わないかも」「私だったら、叫んで逃げているわ。こんなに冷静にいられるなんてすごい」といったコメントが寄せられており、ハリーさんは「振り返って考えると、自分は本当にラッキーだったと思う」と述べ、このように続けた。

「もしあの時、あと5分先に進んでいたら、グループ全員が亡くなっていただろうね。生きていて本当に良かったよ。」

そして「今後もトレッキングは続けるの？」との質問には「もちろんだよ」と笑顔で答えている。

ちなみにオマーンでは今月10日、大波を背景に岩場で写真撮影をしていた親子が波にさらわれ死亡していた。当時の衝撃的な動画はSNSで拡散し、「自然を甘く見てはいけない」といったコメントが寄せられた。

画像は『Harry Shimmin　2022年7月9日付Instagram「9 Brits and 1 American on a guided tour of the Tian Shan mountains in Kyrgyzstan.」、2022年7月13日付Instagram「Would highly recommend Kyrgyzstan,」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　A.C.）