それほどウォルマートの労働環境に嫌気がさしていたことがうかがえる。
アナウンスの途中では、店長を名指しして「変態」と表現し、他の社員と思われる2人の名前も上げながら「仲間をあんな風に扱うなんて、恥を知りなさい。あなたたちの家族にもあんな話し方をしていないといいのだけど」と痛烈に批判した。
ベスさんがこの動画を「より良いものを目指して」という言葉を添えてFacebookに投稿すると、今月22日の時点で再生回数が28万回を超えるほど反響を呼んだ。コメント欄には「最高の辞め方だ」「うちの近くのウォルマートでも従業員が怒鳴られているのを見たことがあるよ」「人生は短いんだから、嫌な奴と働く暇なんかないよね」「よく言ってくれた! まさにこの通りだよ」など6000件以上の共感の声が届いた。
勇気を出して声を上げたベスさんには、「次の仕事がすぐに見つかるといいね」「今は自由を楽しんで!」など応援の声も多数寄せられている。予想外の反響に驚いたベスさんは、翌日に別の動画で感謝を述べる投稿をした。
「皆さんから届いた多くのコメントに感激し、言葉になりません。私は同僚たちのため、そして自分自身のためにあのアナウンスを流しました。今回の件でアドバイスをするとすれば、自分が傷つくことになったとしても、声を上げることを恐れないでほしいです。皆さん、本当にありがとう。」
ベスさんのもとには、1人1人に感謝を伝えられないほどの寄付も多く届いているそうだ。
なお日本に比べて欧米の労働環境は良いというイメージもあるが、そうでもないようだ。米Groupon社が行った2000人のアメリカ人を対象にしたアンケート結果によると、回答者の60%が仕事のプレッシャーや責任と私生活の間に境界がなく、ワークライフバランスを保つのが難しいと答えたという。また回答者の3分の1がリラックスできる時間がないと答えており、40%が長時間働き過ぎと回答したとのことだ。
ベスさんと同じようにとはいかないまでも、労働環境の不満に対して声を上げる勇気を持つことは世界共通の課題になっているようだ。
画像は『Beth Mcgrath 2021年9月16日付Facebook「To everyone who has commented, liked, and shared, you all have impacted my life also.」、2021年9月15日付Facebook「On to better things.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)