ビヨンセの名前をメンションすると、英語でこのような意味のメッセージを記した。
「やあ、ビヨンセ。君は僕に“正式に”尋ねるべきだった。そうしてくれたら、僕の親友であるザ・ウィークエンドみたいに、君のためにもっと良い作品を作ることができたのに。」
1枚目の投稿では、ビヨンセのツアーのステージに設置された巨大スクリーンの写真が添えられた。丸いポータルの中には、メタリックなヘッドピースを着用したビヨンセの顔が写っている。ヘルメットの両耳からは尖った棒が突き出した、ロボットのような雰囲気だ。
さらに3~5枚目には、空山氏の代表作である、女性の官能的な美しさとロボットを融合した「セクシーロボット」のイラストが公開された。
セクシーロボットのヘッドピースは、ビヨンセが被っていたものと同様に両耳から尖った棒が突き出ている。
この投稿を見たフォロワーからは、次のような意見が飛び交った。
「これは強奪だ。あなたのオリジナルのデザインとアイデアに対して失礼だ。ビヨンセが関与していなくても、これを持ち込み、彼女のチームに承認させたデザイナーには責任がある。」
「アイデアを盗んだのはスタイリストで、ビヨンセは何も知らない可能性が高い。誰かがあなたをきちんと紹介すれば、ビヨンセはあなたと仕事をすると思うわよ。」
こういった声がある一方で「あなたはアンドロイドの美学を所有しているわけじゃない」「(1927年のSF映画)『メトロポリス』は新しい映画じゃないわよね」といった厳しい意見も見られた。
今回の投稿では、空山氏がビヨンセに対して法的措置を考慮しているのか、それとも双方の作品の類似性を訴えたいだけなのかについては不明である。
愛媛県出身の空山氏は専門学校卒業後、広告代理店勤務を経て、1971年にフリーランスのイラストレーターとして独立。1978年に「セクシーロボット」シリーズを発表し、世界的に有名になった。また1999年発売のソニーの犬型ロボット“AIBO”初代のデザインを担当し、近年ではファッション・ブランド「ディオール」のキム・ジョーンズ氏や、デザイナーのステラ・マッカートニー氏とコラボした。
セレブの顧客も多く、実業家イーロン・マスクは空山氏のアートワークを購入している。ミュージシャンのザ・ウィークエンドも大ファンで、2011年リリースの楽曲『Echoes of Silence』のMVでは空山氏とのコラボが実現した。ワールドツアー『After Hours til Dawn』における今年のヨーロッパ公演では、ステージに巨大なセクシーロボットが登場している。
画像は『Beyoncé 2023年8月15日付Instagram、2023年10月26日付Instagram「RENAISSANCE: A FILM BY BEYONCÉ, in theaters worldwide 12.01」』『Hajime Sorayama 2023年12月12日付Instagram「Yo @beyonce」、2023年6月11日付Instagram「We are new cult」、2023年9月21日付Instagram「@lewishamilton You shall win Suzuka」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)