「もしかしてブラッシング詐欺かしら?」と考えた。
ブラッシング詐欺とは、ECサイトの運営者が高評価のレビューを増やすため、架空のアカウントから注文を行って売り上げ件数を水増ししたり、サクラのレビューを投稿したりする詐欺行為だ。今年5月にも、ワシントンD.C.在住のリズ・ゲルトマンさん(Liz Geltman)が、注文した覚えのない子ども用シーツが入った荷物が大量に届くという事態に陥っていた。
シンディさんにインタビューを行った米ニュースメディア『WUSA9』が、梱包明細書を調べてみると、顧客から返品された商品が“リーシャオ・チャン”宛てに送られているものだと分かった。さらに配送元の住所を追跡してみると、9つの異なる州にある15のAmazonフルフィルメントセンター(物流拠点)から発送されていた。
『WUSA9』がこの件をAmazonに尋ねると、Amazonはシンディさんとリズさんの両方のケースについて詳しい調査を行った。すると、いずれのケースもAmazonのフルフィルメントセンターに残った商品を処理するため、業者がランダムに住所を選んで送り付けた結果だと判明した。この行為はAmazonのポリシーに違反するもので、「Amazonには出品者による疑わしい行為を検知するためのシステムや、禁止行為がないか調査するチームが存在します。今回、不正行為をした出品者のアカウントは閉鎖されました。Amazonでは詐欺を許しません。悪質な業者の責任を追及するため、あらゆる手段で対応し続けます」とAmazonはコメントを発表した。
Amazonで販売を行う企業の代理人を務め、ニューヨークを拠点に活動するCJ・ローゼンバウム(CJ Rosenbaum)弁護士は「中国にいる販売業者が、Amazonの倉庫から商品を処分するため、無作為に住所を選んでいるのです。この方がコストはかかりませんし。全てはお金のためですよ」と説明している。
環境科学の教授であるシンディさんは、届いたものをすべてゴミにすることはできなかった。「出会った人々にヘッドランプやグルーガンをプレゼントし続けているので、みんな私のことを変な人だと思っていますよ」と話している。まだ地下室には大量の荷物が残っているそうで、シンディさんによるヘッドランプの配布はまだ続きそうだ。
画像は『WUSA9 2023年7月27日付「Amazon takes action against vendor after hundreds of Amazon boxes stack up on Virginia woman’s doorstep」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)