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writer : h-r

【海外発!Breaking News】60年ぶりにいとことの再会を願って、スクーターで6500キロ超の旅に出た77歳男性(仏)

何度も受けた腰の手術の痛みや歩くときの嫌な痛みよりも重要なものだという。

しかしいとこに会いたかったとはいえ、アンドレさんの年齢などを考えるとスクーターでの長旅は無謀とも言えるが、このチャレンジはバイク愛好家の彼だからこそ成し得たことかもしれない。アンドレさん自身も「二輪車に乗ると、何も感じないんです。子供に戻ったようで…」と話している。さらに旅のアルバムを見返してみると、自撮り写真を除いてスペインのジローナ、バレンシア、マラガ、ポルトガルの首都リスボンで撮ったのはホンダのフォルツァの写真しかなかったそうだ。

だが今回の旅で結局、いとこを見つけることはできなかった。記載されていた住所にはフランス語を話せない女性がいて、明らかにいとこのことを知らないようであった。警察にも行ったがそこでもフランス語が通じず、英語やポルトガル語を話すことができないアンドレさんには為す術がなかったそうだ。

「誰も助けてくれない」と絶望したアンドレさんは、墓地で墓石を眺めている自分に気づいた。そこで墓地の管理人に藁にもすがる思いでいとこについて尋ねた。すると管理人は奇跡的にいとこのことを知っていたという。しかし喜びも束の間、いとこは9か月前に亡くなっていたことが分かった。アンドレさんは「もっと前にいとこ探しを決めていれば…」と後悔したが、自宅に戻る前にお墓参りをすることができたそうだ。

気を取り直して、アンドレさんは行きとは別のルートで帰路につくことにした。「私のポルトガルとのルーツは決定的に断たれた…」とアンドレさんは言う。残されたのは、10日間にわたる非日常的な“冒険”の記憶とアンドレさんの“冒険”を興味深く見守った家族のプライドである。

アンドレさんは「なぜ、その日に出発を決意したのか」という質問に対して、「仕事があったから。そしてお金がなかったから」と答えている。いとことの再会は叶わなかったアンドレさんだが、「最終的にはやり遂げたんだ」と語っていた。

なおアンドレさんの今回の“冒険”に、Twitter上では「何度もガソリンを補給しなければならなかっただろうね」、「6500キロ、かなり遠いです。ほとんど大西洋横断ですね!」といった声があがっている。

画像は『Nice-Matin 2022年7月24日付「A 77 ans, il parcourt plus de 6.500 km à scooter jusqu’au Portugal pour retrouver un cousin」(Photo DR)』『Ouest-France 2022年7月28日付「À 77 ans, il enfourche son scooter pour rallier le Portugal depuis la Côte d’Azur」(Carte : Ouest-France)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

フランス南部からポルトガルまでスクーターで往復(画像は『Ouest-France 2022年7月28日付「À 77 ans, il enfourche son scooter pour rallier le Portugal depuis la Côte d’Azur」(Carte : Ouest-France)』のスクリーンショット)

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