海外発!Breaking News

writer : yukke

【海外発!Breaking News】クマに追われた夫妻が奇跡の生還 10日間におよぶ恐怖体験を語る(露)

命からがら何とかクマから逃れた。ニナさんはその時の状況をこう語る。

「夫はもう少しでクマに殺されるところでした。」
「(先に木に登ったニナさんは)水筒を投げてクマの気を必死にそらしたんです。夫も何とか木に登ることができました。」

木に登った2人を監視するかのように木の周囲を歩くクマは、一向に引く様子はない。また木に突進してきたクマに食料入りのリュックサックを投げつけた2人は、水や食料もないまま耐えるしかなかった。

だが2人は「このまま木に留まっておくわけにはいかない」と行動を決意する。日没後、持っていた上着に火をつけてクマの注意をそらすと、気付かれぬうちに木を降りて対岸に向かって川を必死に泳いだ。

途中で溺れかけたニナさんだったが、アントンさんに引き上げられて何とか渡りきり、すぐに新たな木に登った。するとクマも川を泳ぎ、すぐに追ってきたという。

夫妻は新たな木の上で、樹木の皮を食べ、交代で眠りながらさらに2日間を過ごした。そのうち大きなヒグマが現れ、2人を狙っていたクマを追い払った。2人にとっては新たなクマが現れただけだが、2頭目のクマは降りてこない夫妻を早々に諦め、森へと消えていったそうだ。

それからの夫妻は、一日に400メートルずつ木から木へとクマに注意を払いつつ移動していった。途中で3頭目のクマにも遭遇したが、そのクマは2人には気づかなかったようだ。

そして11日目の朝、アントンさんとニナさんは壊れた車のある場所に再び戻ってきた。

夫妻が車に到着すると、すぐに他の車が通りかかったことでようやく救助されたのだった。アントンさんとニナさんは極度の脱水症と疲労で衰弱していたものの、打撲やかすり傷程度で大きな怪我はなかった。

その時の喜びを、のちにニナさんはこのように明かしている。

「車につくや否や、他の車が近づいてくる音が聞こえてきました。その車を見つけた私は、嬉しくて泣いてしまいました。」

奇跡の生還を果たしたアントンさんとニナさん(画像は『Mirror 2021年7月20日付「Couple spend 10 days hiding in trees while hungry bear stalks them through woods」(Image: The Siberian Times)』のスクリーンショット)

ロシア動物学研究所でシニア研究員を務めるイゴール・ドロニンさん(Igor Doronin)は「2人の生還は奇跡に近い」として、以下のように述べている。

「一度狩りを始めたクマから逃げることはほぼ不可能です。この夫妻は本当に幸運でした。クマは数週間も人をつけ狙うこともあるほど、執拗で我慢強い捕食者ですからね。」

なおカムチャッカ半島には約2万3000頭もの野生のクマが生息していると言われており、昨年は4件の事故が発生し、2名が命を落としている。

画像は『Mirror 2021年7月20日付「Couple spend 10 days hiding in trees while hungry bear stalks them through woods」(Image: The Siberian Times)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)

救出された直後のアントンさんとニナさん(画像は『Mirror 2021年7月20日付「Couple spend 10 days hiding in trees while hungry bear stalks them through woods」(Image: The Siberian Times)』のスクリーンショット)

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