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writer : flynn

【海外発!Breaking News】騙されて学生ビザで就労 南アフリカ人49名、中国から無事帰国

一日分として渡されるお金は45ランド(約360円)ほどで1食分の食費と水代にしかならないため、ほとんどの者が体調を崩したが、もちろん薬などは渡されなかった。彼らは寮を出ることも禁止され、およそ2か月間そこに留まるしかなかったという。

21歳の娘が拘束されていたという母親は「学校側はワンから就労ビザについて尋ねられたこともなかったし、就労ビザを渡されたこともなかった。子供たちは約束された給料の半分しかもらえず、警察が来たら隠れろという指示までされていた」と明かしている。またある母親は娘が採用された過程について「面接はSNSで2度行われた。実際に教師になったらどのように授業をするか、ビデオに撮って送らなければいけなかった。しかし合格後は、すぐに片道チケットを渡されるなど手続きは驚くほど速かった」と不信感を露わにした。

当局の取り調べの結果、若者らは被害者であることが判明し、南アフリカで待つ家族らは拘留中の彼らの滞在をサポートし、いち早く帰国できるようクラウドファンディングを立ち上げた。6月下旬には4万ランド(約32万円)ほどの寄付金を集めたが、彼らがいつ解放されて南アフリカへ帰国できるのかは全くわからない状況であった。

そこで「国際関係協力省(Department of International Relations and Cooperation: DIRCO)」のリンディウェ・シスル大臣が乗り出し中国当局と話し合った結果、中国側の費用で若者らを無事に南アフリカへ帰国させることで合意した。彼らは3つのグループに分けられ、6月25日に第1陣の19名が無事に南アフリカ・ヨハネスブルグのO・R・タンボ国際空港に到着し、家族との再会を果たした。

リンディウェ・シスル大臣は6月29日、51名のうち49名が帰国したことを公表した。なおリクルーターとみられる2名はいまだ拘束されており、姿をくらましていたワンは逮捕されている。

今回の事件は氷山の一角とみられており、DIRCOのスポークスマンは「被害者にならないように、しっかりとリサーチすることを怠らないで!」と呼びかけている。

画像は『eNCA 2018年6月23日付「Teachers stranded in China to be released on Monday」(Photo: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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