エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】『アイヌと奄美』レジェンド安東ウメ子・朝崎郁恵から新進気鋭の若手まで39組が参加、魂のつながり感じる集大成アルバム

『アイヌと奄美』は、アイヌ音楽と奄美島唄という北と南に離れた地の伝承音楽を堪能出来るかつてないコンピレーション・アルバムと言えるだろう。アイヌ編は7名、奄美編は30名以上のレジェンドから若手アーティストまで参加しており世代による歌の違いも実感できる。コラボレーション編を加え全アーティスト39組71曲をCD5枚に収録、さらにブックレット56Pによる写真や解説をはじめ「座談会」の内容は貴重だ。

奄美唄者の朝崎郁恵(83)は奄美大島南部の島唄伝承の第一人者で、1997年にインディーズでリリースした『海美』の収録曲『おぼくり~ええうみ』を細野晴臣がラジオ番組で紹介して注目を集めた。

2002年にはUAがゲスト参加したアルバム『うたばうたゆん』でメジャーデビューしており、他にも坂本龍一や姫神、GONTITI、ウォン・ウィンツァン、LUNA SEAのSUGIZOなど幅広いジャンルのアーティストとコラボしている。2011年4月から始まったNHK BSプレミアム『新日本風土記』のテーマ曲『あはがり』も彼女によるものだ。

その朝崎郁恵が、2003年に奄美パーク「神唄祭」でアイヌ音楽のレジェンド・安東ウメ子(2004年7月に逝去)と共演して以来「アイヌと奄美は遠いけれど、とても古くから親戚だ」と思うようになった。彼女はブックレットのまえがきでその件に触れると「このCD BOXはウメ子さんがお空の上から繋げてくれたご縁によって産まれたものだと思います」と述べている。

奄美編にはJ-POPでも活躍する奄美出身の元ちとせ中孝介、NHK大河ドラマ『西郷どん』のメインテーマを担当した里アンナたちも参加しており、

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