米共和党の元副大統領候補で、現在は保守急進派のティーパーティー運動のリーダー的存在であるサラ・ペイリン(47)。来年の米大統領選挙への出馬が取り沙汰される中、謎のバスツアーを敢行し米東部各地に現れているが、立ち寄ったニューヨークで、「You’re fired!」のフレーズで知られる不動産王ドナルド・トランプ(64)と突如面会。「ペイリン&トランプ」という前例のないツーショットが実現し、世間を多いに沸かせた。2人は一体何を話し合ったのか?
かたや元アラスカ州知事、かたや不動産会社CEOのペイリンとトランプ。2人には複数の共通点があり、ひとつは2人ともリアリティTV番組に出演し、ファミリー中心のライフスタイルをメディアに公開していることだ。
ペイリンは、昨年TLCで放映された『Sarah Palin’s Alaska』で、アラスカでの自然と共生する一家の生活ぶりをカメラに晒し、野生のカリブー狩猟やロッククライミングなどをこなすワイルドな一面を見せつけた。また長女ブリストルら5人いる子供達と、政治活動をする時もほぼ一緒なことで、「家族中心の価値観」をアピールしている。一方トランプはご存知、NBCのリアリティ番組『The Apprentice』で、ビジネス修業にやってくるコンテスタントに対し厳しいジャッジメントを下す姿で有名。彼には3人の妻達との間に5人の子供がいるが、そのうち娘の副社長イヴァンカを含む3人が、自身の不動産会社で働いている。
そして2人のもうひとつの大きな共通点は、共和党員でかつ「反オバマ」であること。トランプは近頃「オバマ大統領はアメリカ生まれでない疑いアリ。」と繰り返し発言し物議を醸す一方で、大統領選への立候補をほのめかし、支持層を急速に増やしていた。一方のペイリンは08年の米大統領選挙で、共和党マケイン候補が「オバマつぶし」をすべく、彼女のカリスマ性と、超保守的な政治志向をかって選んだ人物である。
その2人が「初顔合わせ」して世間をアッと言わせた。はやばやと「ビジネスに注力するため、大統領選への出馬はしない。」と発表したトランプに対して、ペイリンは大統領選挙に「出るのか出ないのか?」はっきりしないまま、先月29日から首都ワシントンDCなど米北東部をバスで回る「ワン・ネーション・ツアー」なるものを開始。「アメリカ建国の精神を伝えたい」という名目のツアーで、すでに有権者の地盤固めを始めたかのような印象を与えていた。先月31日、そのバスツアーがNY入りし、ペイリンがマンハッタンのトランプ・タワー内にある、4万5000平方フィートを誇る超高級アパートにトランプを訪問(=写真)。一時、通りは観光客やカメラマン達で騒然となったという。
その後2人はタイムズスクエア近くのピザレストランで「パワー・ミーティング」。そこで一体何を話し合ったのか、詳しくは明らかになっていないが、トランプはペイリンを「素晴らしい女性で良い友人だ。」と称した上で「彼女には是非大統領選に出てもらいたい。」とエールを送った。「ペイリン&トランプ」の異色・共和党大統領候補コンビが、近い将来実現することもアリか?
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)