最も成功したラッパーの一人として知られるエミネム。幼い頃の苦難に満ちた人生から生み出された作品の数々は、今やエミネムを確固たるアーティストたらしめている。彼の過激な作風とスキャンダラスな人生は、多くの批判を生むと同時に、大きな賞賛をもたらしてきた。その彼はこの数年、主にプロデューサーとして活動している。先日の野外音楽イベントでは、久しぶりに姿を見せたエミネム。ところが、ある理由でコンサート開始が40分も遅れてしまった。
「ティー・イン・ザ・パーク」に姿を現したエミネム。
これは毎年イギリス・スコットランドで開かれる野外音楽フェスティバルである。エミネムがイギリスでコンサートを開いたのは2005年のこと。彼にとっては、実に5年ぶりのコンサートとなる。天候のさえない中、彼の姿を心待ちにするファンたちが会場一杯に駆けつけた。
ところがいつまでたってもステージにエミネムの姿は見えない。いったいどうしたというのか? 苛立つ会場のファンたち。ただ時間だけが、過ぎていく。
「エミネムがステージに姿を見せないのは、会場の泥でトレーナーとスニーカーが汚れるのを嫌がったからだ。」
当初はこのように報じられたこの出来事。しかし彼がステージに上がろうとしなかった本当の理由は後日、明らかにされることとなる。実はこのとき、舞台裏ではもっと深刻な出来事が起きていたのである。
というのは、会場の人ごみの中からエミネムに向けて、レーザー光を当てようとする人物がいたのである。ご存知のように、レーザー光を目に直接当てると網膜を傷つけ失明することもある。そこで会場の主催側は、エミネムの身の安全のため、彼がステージに上がるのを押しとどめていたのである。
そしてこの間、主催者はエミネムをステージへ安全に届けるためのバスを手配。同時に警備の者たちをレーザー光で狙っている人物の捜索にあたらせた。
開始時間から遅れること40分。ついにエミネムはファンの前に姿をあらわす。5年前のコンサート以上に盛り上がる今回の会場。当初は姿を見せないことに苛立っていたファンのブーイングも、やがて歓喜の嵐へと変わっていった。
さて、無事成功に終わった今回のコンサート。残念ながら、彼を狙っていたレーザー光の持ち主は見つけることはできなかったようだ。しかし会場のファン達に、彼の人気が今も不動のものであることを示したのである。最近では「リカバリー」をリリースしたエミネム。これからも彼のラップは世界中のファンを魅了し続けてくれるだろう。
(TechinsightJapan編集部 クローン中山)