writer : techinsight

“アラ50世代のニューリーダー”桃井かおりのカッコイイ生き方。

個性派女優の桃井かおり。美白化粧品CMのイメージが強いが、アラフォー世代以上の人にはドラマ・映画でもお馴染みだ。その桃井かおりは日本で名声を得た今でも、「ロスの演劇学校で勉強したり、新しい映画もつくりたい。」などオフシャルサイトのブログ の言葉は常に向上心旺盛。世界を又にかけて活躍し、若いクリエーターとの交流も深い。そんな彼女は「迷えるアラフォー、アラフィフ女性」のニューリーダーとして輝きつづける。


昨年放送のTBS系ドラマ「SCANDAL(スキャンダル)」のオープニングでも主演の鈴木京香、長谷川京子、吹石一恵の若手女優に引けをとらないスタイルで、大人のおしゃれを見せてくれた桃井かおり。
彼女の“倦怠感のある”独特な喋り方が、清水ミチコなどものまねのネタになりやすい。

1971年、映画『愛ふたたび』(市川崑監督)でデビュー。『もう頬づえはつかない』や『幸福の黄色いハンカチ』など数々のヒット作に恵まれる。女優として脂の乗り切った1982年、松本清張原作の映画『疑惑』(監督:野村芳太郎)では心に影のある主人公・球磨子(くまこ)を演じた。この映画の影響で当時は、「桃井かおりは怖いお姉さん。」と思われていたが、その後トーク番組など分かってきた“飾らない桃井かおり”が人気に。不良っぽいイメージだが、少女時代の桃井はイギリスのロイヤルバレエ・アカデミーに単身留学するほどバレエに執心していた。

一切妥協を許さない桃井は、テレビドラマ「春が来た」「熱帯夜」などで共演し、親友だった故・松田優作とも衝突することも多かった。松田が亡くなった時、「これで自分が死んでも伝説になることはない。なら、長生きしてやろう!」と、心に決めたという。

数年前ハリウッド映画『SAYURI』で置屋の女将役をオーディションで勝ち取った。その後アメリカ合衆国SAG(映画俳優組合)に加入し、活躍の場をハリウッドにも広げている。2006年に『無花果の顔』で映画監督デビューもして、50代に入ってから精力的に新しい仕事で挑戦している。

独身なので、子供はいないのであるが、映画・芸術に関しての、若いクリエーターたちを高く評価し交流も深い。手の届きにくい大女優でありながら、才能ある若いクリエーターには積極的に協力している。

そんな彼女の最新出演作も、そんな若手クリエーターの才能が集結した作品だ。国際的な評価が高まりつつある1975年生まれの奇才、奥秀太郎監督と、俳優としても映画監督としても才能を発揮する渡辺一志がタッグを組んだ意欲作『USB』(シネマライズにて公開中)では、主人公の心の隙間を埋めつくす過保護な母を演じている。江本純子や銀杏BOYZ の峯田和伸 も出演する『USB』に桃井が出演するきっかけは、2007年、桃井が初監督作である『無花果の顔』でベルリン映画祭に参加した時に、『カインの末裔』で同映画祭に参加していた奥監督と出会ったのがきっかけ。若いクリエーターと共に『私たちが勝ちたいですね』というと桃井。彼女の視線の先は常に世界を見つめている。

自身のキャリアに溺れず、常に前を向いて、若き友も多い。こんな桃井かおりのカッコいい生き方は、たくさんのアラフォー、アラフィフ女性に夢を与え、彼女のゆったりした女性らしさは苦しい時代のスクリーンによく映えるのである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)