アルゼンチンの海岸で昨年、イルカの赤ちゃんが自撮りをしたがる人間に囲まれストレスや脱水症のために死亡したというニュースが世界中で物議を醸した。後にそのイルカは捕獲前に死んでいた可能性が高いと報じられたが、このたびスペインの海岸で明らかに人間のエゴにより命を落としてしまったイルカの赤ちゃんの悲劇を『Metro』などが伝えた。
8月11日、スペインのアルメリアにあるリゾート地として知られるモハカルビーチで、1頭のメスの赤ちゃんイルカが打ち上げられた。そのイルカは母親とはぐれたようで、浅瀬でもがいていたところを海水浴客に発見された。
ところがイルカのもとへ集まった多くの海水浴客は、興味本位で次々と触ったり自撮りをしていたという。この地域の海洋自然保護活動団体「Equinac」のスタッフが駆け付けた時には、イルカはすでに息絶えていた。
スタッフは「Equinac」のFacebookアカウントに怒りを露わにし、このように批判した。
「人間というのは、最も理性のない動物です。多くの人が、母イルカとはぐれて空腹で怯える子供のイルカに何の思いやりも見せず自撮りしたり触ったりしたことで、イルカは命を落としました。鯨類はとてもストレスの影響を受けやすい生き物なのです。こうした人間の身勝手な行為によってショック状態に陥り、心臓が止まってしまうこともあるのです。今回の悲劇は、まさにそうした原因によって起こってしまいました。浅瀬に打ち上げられた海洋動物は、たいていが具合が悪かったり母親とはぐれてしまったというケースです。そうなると生存し続けることは困難になります。発見者は直ちに緊急通報すべきでした。仮に命を救うことができなくても、少なくともその努力はできたはずです。」