問題は室内が未だにメタンフェタミンで汚染されていることだ。
現在、この住宅は周囲を板張りにされ、金属製のフェンスで囲まれており、敷地内の危険物質や有毒化学物質を警告する看板がフェンスに取り付けられている。また、室内の写真は不動産サイトに掲載されていない。
ケラー・ウィリアムズ・リアルティの物件情報には、「現状のまま新しい買い手に譲渡される」と書かれており、さらにサンタクララ郡保健局が指示しているように、購入後は「除染が終わるまでは立ち入り禁止」だ。
つまりこの住宅の購入希望者は、内覧することなく購入を決める必要があるほか、当局の認定を受けた衛生管理者と清掃業者を雇って汚染の除去をしなければならない。カリフォルニア州ニューポートビーチを拠点とする不動産コンサルタントのジョン・パリアソッティ氏(John Pagliassotti)によると、清掃作業には数十万ドルかかり、その期間も数か月に及ぶという。というのもメタンフェタミンの残留物が、冷暖房システムや壁の中、芝生の上に残っている可能性があるからだ。
自宅でメタンフェタミンを製造するといえば、全米で社会現象を巻き起こしたドラマ『ブレイキング・バッド(Breaking Bad)』を思い出す人もいるだろうが、前所有者であるピーター・カラセフ(Peter Karasev、36)も、この家で妻や3人の子供と一緒に住んでいた。
ピーターは現在拘留中で、ガスや電力供給を行う「パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(Pacific Gas and Electric Company)」のインフラを狙ったものを含め、サンノゼ市周辺に複数の爆弾を仕掛けた罪で今年3月に逮捕された。
当時の警察の記者会見によると、警察官がピーターの家を捜索したところ、家の中から銃や自家製液体爆薬、複数の自家製破壊装置を含む武器が見つかっただけでなく、ガレージがメタンフェタミン製造ラボとして使用されていたことが判明した。
今回のニュースに対して、人々からは「メタンフェタミンで汚染され、メタンフェタミン製造所が残っている家を売りに出すことが、法的に許されているなんて!」と驚く声や、「40万ドル(約6000万円)なら買ってもいいかな」といったコメントがあがっている。
画像は『CBS News 2023年10月30日付「Luxury California home – complete with meth lab and “contamination” – selling for $1.55 million」(REDFIN)(SAN JOSE POLICE DEPARTMENT)』『Metro 2021年11月1日付「Heat-seeking drone busts cannabis factory worth £211,000」(Picture: West Midlands Police)』『Zillow Gone Wild 2021年3月27日付Facebook「When someone DMs you and says “This house is pretty normal BUT LOOK AT PICTURE 29”」』『The Sun 2021年10月17日付「PRIVATE PROPERTY Property dubbed ‘Willy House’ is on sale for £925,000 despite PENIS-shaped trees」(Credit: SWNS)』『Banksy 2019年12月11日付Instagram「Aachoo!!」』『The Seattle Times 2023年1月12日付「New owner of ‘Goonies’ house in Astoria is ready to embrace movie magic」(RETO Media via AP, file)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)