ノエルさんはアリゲーターの気を逸らすことに成功し、その間に少女らは全員無事に避難した。
アリゲーターが近づいてきたときの様子について、ノエルさんは「(アリゲーターは)ひっそりと忍び寄っていました。間違いない」と断言しており、当時の心境をこう語っている。
「アリゲーターが軽くロープに絡まったことが、子供たちを救出する助けとなりました。気分は良くありませんが、アリゲーターの注意を逸らすためのロープがそこにあったのが幸いでした。」
また騒動の一部始終を記録したデヴィッドさんは、アリゲーターの急襲を「まるでパニック映画のワンシーンのようでした」と述べ、当時の緊迫した様子を次のように明かした。
「アリゲーターは間違いなく少女を狙っていました。映画『ジョーズ(Jaws)』を何度も観ていますが、まるで同じような光景でした。」
アリゲーターは少女らが岸に退避した後も浅瀬に留まり続け、通報を受けて到着した保安官によって遊泳区域にはテープが張られ、閉鎖された。
このハンツビル州立公園の遊泳区域付近には、アリゲーターの出没を警告する標識がいくつかあり、この夏の初めにも、同じ遊泳区域にアリゲーターが現れ、岸に戻れなくなった遊泳者らが桟橋から救助されている。
ヒューストン動物園で爬虫類のシニア飼育員として働くエディー・サニラさん(Eddie Sunila)は、撮影された動画を見て、このアリゲーターについて以下のように語っている。
「動画に映っているのは、(以前に目撃されたものより)より大きなオスのアリゲーターかもしれません。おそらく体格の小さな子供たちを獲物として見ているのでしょう。撮影されたアリゲーターは、豚やシカのような大型の動物を食べている可能性が高いですね。アリゲーターはヒューストンの至るところにいて、かなり遠いテキサス州の州境のほうにまで行くこともあります。」
今回を含め、レイヴン湖で目撃されたアリゲーターによる負傷者は現在までに報告されていないが、来園者が餌を与えることによって、アリゲーターが人間と餌を関連付けてしまう危険があるそうだ。
エディーさんは「アリゲーターを含む野生動物には餌をあげないで。もしアリゲーターが人に近づいていたら、必ず通報してください」と、人々に注意喚起している。
なおテックインサイト編集部では、ハンツビル州立公園へ標識以外に何か事故を防ぐ対策をとっているのか、またガールスカウトの団長にも話を聞くべく取材を申し込んでいるが、現時点で回答は得られていない。
画像は『KHOU 2023年9月16日付「Popular swimming spots at Huntsville State Park closed to the public after alligator sightings」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)