
自分の胸を指さし「多くのみなさんが、ここに衝撃を受けたと言ってくれました」と述べた。
そして代表国のユニフォームを着て競技に参加した退役軍人達に向けて、このように語りかけた。
「みなさんにとって、この1週間着てきたユニフォームは新たな物語を与えてくれるでしょう。そして他の人々にとっては、古いユニフォームに新たな意味を与えるかもしれません。」
「しかしこうしたことにもかかわらず、ユニフォームに頼る必要はないし、ユニフォームがなくても迷うことはありません。それを思い出してもらうために、僕はここにいるのです。」
その理由について、王子は「必要なものは、すでにあなたの中にあるからです」と説明し、こう付け加えた。
「明日、みなさんはそれぞれに自分だけの思い出を持って歩き出すでしょう。しかし私の願いは、思い出のひとつひとつが仲間であるという感覚を通して笑顔がこぼれ、みなさんとご家族が誇りと目的を持って前を向くきっかけとなることです。」
さらに王子は、カナダのチームによる「インヴィクタス・ゲーム2025」のテントの脇にバグパイプが置かれていたことに言及し、「バグパイプが僕にとってどのような意味を持つか、ご存じの方もいるかと思います」と述べた。
スコットランドの民族楽器であるバグパイプは、王子の祖母であるエリザベス女王のお気に入りの楽器だった。王子は自身の回顧録『Spare』の中で、女王はバグパイプの音で目を覚ますのが好きだと綴っていた。
また同著では、ヘンリー王子とウィリアム王子(当時)は、母ダイアナ妃が事故死する前夜にベッドを抜け出してエリザベス女王のパイプ演奏者のもとに行き、バグパイプで遊んでもらったという思い出も記されていた。
スピーチの間、ヘンリー王子は感情があふれ出たのか、涙ぐんでしまう場面も見られた。王子は涙をこらえていたが、顔を歪ませると片手を口元に当てていた。
画像1、2枚目は『Invictus Games Foundation 2023年9月17日付Instagram「“We value you, we need you, and the world does too.”」、2023年9月13日付Instagram「The intensity hasn’t dropped one bit at the #InvictusGames Düsseldorf 2023!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)