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writer : ac

【海外発!Breaking News】海岸に打ち上げられたクジラの死骸から、7800万円超の“龍涎香”発見で島に希望!(スペイン)

当時のことをこう振り返った。

「クジラの結腸を調べている時だった。中に何か硬いものがあるのを感じて、引っ張り出したんだ。そして出てきたのは直径約50~60センチ、重さ9.07キロ(20ポンド)の石だった。それが龍涎香だと分かったのは、サンダルウッド(白檀)のような独特の木の香りがしたからだった。」

カナリア諸島の一つであるラ・パルマ島で、マッコウクジラの腸の中から発見された「龍涎香」。非常に稀で、独特な香りを放つことから高く取引される(画像は『The Guardian 2023年7月4日付「Pathologist finds €500,000 ‘floating gold’ in dead whale in Canary Islands」(Photograph: Universidad de Las Palmas de Gran Canaria)』のスクリーンショット)

なお龍涎香は体外に排出されてしまうことが多く、発見されるのは海で漂流していたり、海岸に打ち上げられたものがほとんどという。2020年にはタイ南部の海岸で、約100キロの龍涎香を漁師が発見しており、その価値は3億円と言われていた

しかし時には、龍涎香が大きくなりすぎて腸に穴を開けることもあるようで、アントニオさんは「この個体は龍涎香が累積したことで結腸に穴が開き、敗血症を起こして絶命した」と結論づけている。

ちなみにマッコウクジラは絶滅危惧種に指定されており、アメリカやオーストラリア、インドなどではクジラの保護のため、龍涎香の取引が禁止されている。しかしスペインでは、クジラを傷つけたり狩りをしたりせず、自然に取得されたものであれば取引は合法という。

ULPGCは、50万ユーロを支払うことを約束したアラブ首長国連邦のバイヤーへの売却を決めており、アントニオさんは「このお金でラ・パルマ島で2021年に起きた火山噴火の被害者を助けたい」と述べている。この噴火では6000人以上が避難を余儀なくされ、多くの人が全てを失ったそうで、島に1250億円(8億ユーロ)以上の被害をもたらしていた。

画像は『The Guardian 2023年7月4日付「Pathologist finds €500,000 ‘floating gold’ in dead whale in Canary Islands」(Photograph: Universidad de Las Palmas de Gran Canaria)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

海は荒れ、死因を特定する作業は決して容易ではなかったが、アントニオさんはマッコウクジラの腸から「龍涎香」を発見。意外な死因を突き止めた(画像は『The Guardian 2023年7月4日付「Pathologist finds €500,000 ‘floating gold’ in dead whale in Canary Islands」(Photograph: Universidad de Las Palmas de Gran Canaria)』のスクリーンショット)

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