タイ南部の海岸沿いで先月下旬、近くを散歩していた漁師が「龍涎香(りゅうぜんこう)」と呼ばれる非常に貴重な石の塊が複数打ち上げられているのを発見した。龍涎香は全部で約100キロとこれまでで最大級で、「一体いくらの値がつくのか」と注目が集まっている。『LADbible』『The Sun』などが伝えた。
タイ南部のナコーンシータンマラート県の海岸で先月23日、ナリス・サワナサンさん(Naris Suwannasang、60)が黄色味を帯びた石の塊のようなものを発見した。
ナリスさんはそれがマッコウクジラの腸内で生成される結石「龍涎香」に似ていることに気付き、従兄たちを呼び出すとトラックに積み込んだ。
ナリスさんは「塊は複数あって、100キロもあったんだ。自宅に運んだ後、龍涎香であるかどうかを確かめるためにライターの火を近づけてみたんだよ。すると塊の表面が溶け出して、なんとも言えない香りを放ったんだ」と当時を振り返る。
実はこれ「龍涎香(アンバーグリス)」と呼ばれるもので、マッコウクジラが飲み込んだイカのクチバシなどが腸壁から出された分泌液で包まれて固まったものだという。以前はクジラの嘔吐物と思われていたが、現在では肛門から排出されるという説が有力で、水よりも比重が軽いため海面に浮かび上がって漂流する。そうして長い間漂流すると熟成し、独特の香りを放ち始めることから「シャネル N°5」など有名ブランドの香水の原材料としても広く用いられている。香りを持続させることでも知られており、希少なため高く取引されるという。
この日、ナリスさんが発見した塊は全部合わせると重さが約100キロとこれまででも最大級で、