サメは何もせずに去ったもののロムアルドさんは常に気が気ではなく眠ることもできなかった。
「毎日妻や子どもたち、父や母など家族のことを考えており、それが私に強さと希望を与えてくれました。それしか気力を保つ方法がなかったのです」と当時を振り返るロムアルドさんは、いつ終わるかも分からなかった漂流生活が11日目を迎えた先月11日、船が通る音を耳にした。
長い間飲まず食わずだったロムアルドさんの視界は既にぼやけ始めていたそうだが、このチャンスを逃すわけにはいかず必死に腕を上げて助けを求めた。ロムアルドさんに気がついた船員はゆっくりと近づき、無事にロムアルドさんを船上に引き上げた。救出当時を捉えた映像には、海面を心もとなく浮かぶ大きな冷凍庫の中に入っていたロムアルドさんの姿が映っている。救助され船の上に引き上げられたロムアルドさんは立つこともできないほど弱っていたようで、その場に座り込んでしまっていた。
救助された場所はスリナム共和国の沖合で、船が沈んだ場所から約450キロも離れた場所だった。ロムアルドさんは長い漂流生活で体重が11ポンド(約4.9キロ)減り、重い脱水症状に加えて強烈な日差しや潮風に晒されたことで目にダメージを受けていた。
ロムアルドさんは船上で水分やおかゆなどをもらい、岸についてから病院に運ばれ治療を受け無事に生還できたことに喜んでいた。しかし不運なことにロムアルドさんは別の国にたどり着いてしまったため不法滞在者として逮捕され、スリナム共和国の首都パラマリボの刑務所で16日間も拘束されることになってしまったのだ。
立て続けに災難に見舞われながらも無事に生きて帰ってこられたロムアルドさんは、「あの冷凍庫は神も同然です。奇跡ですよ。船が沈み始めた時は絶望し、『自分もここまでか』と思っていました。しかし神様がもう一度私にチャンスをくれたのです。私は生まれ変わりました。この話をすることはないだろうと思っていましたが、帰ってくることができたのです」とコメントしている。
O pescador Romualdo Macedo Rodrigues ficou 11 dias à deriva em um freezer no meio do Atlântico após o barco dele naufragar. O resgate ocorreu por navegantes que encontraram o eletrodoméstico boiando no mar, já no Suriname.#UOL
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— UOL (@UOL) September 1, 2022
画像は『Explorersweb 2022年9月4日付「After Boat Sank Off Brazil, Man Survives for 11 Days in Floating Freezer」(Credit: CEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)