そんな姿とは裏腹に近隣住民など周辺に迷惑がかからないようにルールを明示し参加者に徹底させた。お宝はゴミ箱に入っていないこと、お宝を探すのに地面を掘ったり私有地の中に入ったりする必要はないこと、他のプレーヤーや周辺住民に敬意を払って参加すること、違反した場合には宝探しゲームから除外されてしまう旨が公表された。
また数人の参加者が地元のファストフード店「Dairy Queen」で主催者に遭遇したそうで、その際には「しっかりとソーシャルディスタンスを保ち、レジの人にもチップを払うように」と念を押していたという。同店のスタッフは、その日のイベントのお陰で50カナダドル(約5000円)のチップを貰うことができたと話している。
このイベントに参加したティム・サットンさん(Tim Sutton)は「その日の夜は7時間もお宝を探していたよ。結局見つからなかったけどね。でもお金を見つけることではなく、宝探しをして新鮮な空気を楽しみ、新しい友達を作るのが大事なんです」と自身が感じた今回のイベントの本質を明かした。
そんなティムさんは後日、別の宝探しイベントでお宝を発見することができ、ビットコインで賞金を得たという。ティムさんが明かすように、お宝は7時間かけても見つからないような難易度の高い場所に隠されている。主催者はひっそりと近くでイベントを監視していたようで、リアルタイムでヒントを出したり、「チェック柄のシャツの人、見当はずれの場所を探しているよ」などと投稿しており、主催者の予測不能な行動も参加者たちは楽しんでいたようだ。
また今月13日にはホラー映画『13日の金曜日』にちなみ、これまでの1回につき100カナダドルというお宝ではなく、100カナダドル紙幣13枚(合計約13万円)が用意される最大規模のイベントが開催された。また映画のキャラクターであるジェイソン(Jason)のコスプレコンテストやホラーショートムービーのコンテストも行われたという。
このイベントは参加者を楽しませるだけではなく、地元の店も恩恵を受けている。ある日、宝探しのヒントとして地元の蒸留所「Three Dog Distillery」に併設されているバー「Dirty Dog」に午後4~6時に集まるようにと投稿があった。バーのオーナーであるシェリル・ブラウンさん(Cheryl Brown)は「このイベントとは何の関係もなく、普段この時間は店を開けていません」と語ったが、そう言いながらも当日はしっかりと早い時間に開店し、イベントのおかげで多くの客が来店したという。
今月16日の時点で次の宝探しについての予告はまだないが、ミラミチ市の人々はもうしばらくこのゲームを楽しめるかもしれない。
画像は『CBC.ca 2022年5月15日付「Miramichi treasure hunt wraps up with Friday the 13th search」(Shane Fowler/CBC)』『Roman Dungarvan 2022年5月2日付Facebook、2022年5月2日付Facebook「$100 bill at Ritchie Wharf is in the small treasure chest.」、2022年5月3日付Facebook「Next mystery begins…..」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)