祖先DNAを探索し家系図を作成できるサイト「Ancestry.com」と弁護士が雇った系図学者により生物学上の父親を探し出すことに成功したそうだ。そしてその男性と妻も不妊治療中だったといい、男性が医師に精子を提出した日とマイクさん夫妻がオフィスにいた日が同じであったことが確認されたという。
この衝撃的な事実について、ジェシカさんは「私と両親が経験したことは言葉にはできません。私はいまだに信じられませんし、おそらくこれからも信じられないでしょう。私にとって大事なことはDNAや血縁に関係なく自分の家族を中心に考えることです」と明かした。
そんな一家は今年2月2日、医療過誤、過失、および契約違反などの被害を受けたとして当時の体外受精を担当したニコラス・スピルトス医師(Nicholas Spirtos)と病院の運営会社である「Summa Health System」を提訴した。
夫妻の弁護を担当するのはクリーブランドにある法律事務所「Peiffer Wolf Carr Kane Conway & Wise, LLP」で、担当弁護士のひとりであるアダム・ウルフ氏(Adam Wolf)はこの裁判の争点についてこう述べている。
「過去にさかのぼって物事を変えることはできません。現時点で私たちにできることは説明責任を求め、マイクさん夫妻のような状況に陥る人が出ないよう規制や監視を求めることです。」
そしてSumma Health Systemはメディアに対し、このような声明を発表した。
「当社は1991年に患者に夫ではない人物の精液で体外受精した疑惑があることを認識しており、我々はこの申し立てを真摯に受け止めております。またこの結果がご家族に与える影響も理解しています。現時点ではまだご家族と面会しておらず、独自のテストも行っていません。情報が限られていること、そして30年という長い時間が経過していることから、ご家族の代理人である弁護士の方々には次の段階に進むためのご協力をお願いしたいと思っております。」
マイクさん一家は、今回の訴訟が不妊治療産業に対する連邦政府の監督に繋がることを期待しているという。
画像は『New York Post 2022年2月3日付「Family sues doctor after DNA test shows adult IVF baby isn’t related to her father」(Peiffer Wolf Carr Kane Conway & Wise Law Firm)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)