参院選の投開票日に放送された『ZERO×選挙2016』のなかでキャスターの嵐・櫻井翔が衆議院議員・小泉進次郎氏と2年ぶりに対談する場面があった。2人は番組が調査した10代の新有権者が「総理大臣になってほしい」と思う人でもある。
7月10日午後7時58分から日本テレビ系で生放送された『ZERO×選挙2016』で、選挙期間中に18歳・19歳の有権者1000人を対象に番組名を伏せてインターネット調査を実施した結果が公表された。
■総理大臣になってほしい人は?(カッコ内は年齢)
10位 ビートたけし(69)
9位 麻生太郎(75)
8位 櫻井翔(34)
7位 小泉進次郎(35)
6位 小泉純一郎(74)
5位 蓮舫(48)
4位 池上彰(65)
3位 橋下徹(47)
2位 安倍晋三(61)
1位 いないと回答
このうち7位と8位に入った2人が都内を歩きながら対談するところがVTRで流れた。一昨年の12月、同番組の対談企画により東京駅で初めて顔を合わせて握手して以来の再会となる。小泉進次郎氏は前回の放送後、横須賀で街頭演説していると女子高生から「この手が翔くんと握手した手ですか?」と間接握手に感激されたことを明かし櫻井翔を照れさせた。
今回は「18歳・19歳が選挙権を持った」ことを中心に語りあった。小泉氏が18歳だった時は野球部に所属して夏の甲子園に集中しており、櫻井は嵐として始まったばかりの仕事に専念していたため、2人とも政治や選挙への関心は高くなかったという。「その僕が“投票に行け”と言うのは説得力がない」と小泉氏は投票年齢を20歳から18歳に下げた意味を伝えようと考えた。
参院選の応援演説前に若者を見かけては「18歳? 会場に一緒に行こうよ」と気さくに話しかけ、選挙カーの演台から「会場で18歳から20歳で初めて選挙の人、前に出てきて!」と呼びかけ、多くの若者を前に並べた。その盛り上がりに自身も後で「奇跡的な街頭演説でしたね! 18歳のみなさんが一気に集まってくれてね」と興奮気味である。別の会場では「19歳! 壇上においでよ! 嬉しいね!」と宣伝カーの上で若い男性に話すように演説する。
「人口が減る、高齢化が進む、このままだったら若い世代の声を反映できない形の医療・年金・介護・子育てという社会保障を、もっと世代間のバランスがとれた形に変えていかなきゃいけない」と若者が積極的に参加する意義と必要性を説いたものだ。
小泉氏は若い世代と語り壇上に呼んだりするのは、その体験から選挙への参加意識を持ってくれればと願うものであり「自民党をよろしく」とは口にしない。「押しつけがましいのはよくない」という彼は、今は社長が「うちの会社はこの人でいく」と言ったから社員がその通りに入れる時代ではなく、1人1人が誰が良いかを自分で決める時代だと指摘する。宣伝カーの壇上に立った若者が自民党に入れるわけではないと分かっており「そこはもっと冷静だと思う」と大らかだ。
櫻井から日本の選挙や政治の未来像について問われると、小泉氏は「演説会場で子どもたちが縦横無尽に走り回り、赤ちゃんは泣いていて、来ている若者たちはスマホを掲げながら撮っていたり、それが当たり前の政治の景色にしたい」と語る。一方で現在の政治は「若者に向いてない印象が強い」と認めている。たとえば財務省は「お金はない」と言いながら高齢者で低所得の人々に3万円を配るとなればポンと出てくるのに、「子育ては?」となれば「ない」というがどっちが本当だと指摘する。若い人たちの声を政治にどのように反映するかが問われており「民主主義の中の壮大な挑戦の時代が始まっている」と見ているのだ。
また10年、20年先を「人口減少を悲観しない日本になっている」と小泉氏がイメージすると「今の中で変えるというより、新しい価値観を作れたらいい」と櫻井も共感した。人口減少を食い止めて増加傾向に持っていくには“楽観を生む”ことが大事であり、そのためには「人口が減ることを直視してそれでも大丈夫だという国づくり」が必要だと主張する小泉氏。その前向きな発想と力強い言葉から、櫻井は2年前に会った時にも彼が「政治はポジティブであるべきだ」と話したことを思い出す。「変わってないですねやっぱり」「そこは変わらないですね」とお互いに固い握手を交わし「ありがとうございました」と対談を終えた。
櫻井翔が小泉進次郎氏と対談したのは10日ほど前のことだ。7月10日に改めてVTRを見た彼は「10日後の選挙よりも5年後、10年後の未来を見据えているような感じがしました」「政治は“楽観を生む”べきだというのは、裏を返せば今の政治に危機感を覚えているのかとも感じた」と感慨深げだった。この2人の対談は国政選挙がある度に実現するが、一度特集を組んでじっくりと語り合う姿を見てみたいものである。
出典:http://ameblo.jp/koizumi-shinjiro
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)