エンタがビタミン

writer : tinsight-higuchi

【エンタがビタミン♪・番外編】アルマーニの制服導入問題 置き去りにされた本質

シャネルはまだ女性がコルセットをして限りなくウエストが細いことが良しとされていた時代に「女性からコルセットを外した初めてのデザイナー」と言われています。ブランドにはそれぞれのお国柄や文化、生まれた背景、デザイナーの強い想いが哲学となって脈々と受け継がれているのです。

【本質が置き去りになっていないか】

本質が置き去りになっていないか Photo by 樋口玲子

泰明小学校のアイデンティティーとは何なのでしょう。校長先生が「アルマーニとは特別な関係はない(中略)ハンカチくらいは持っているが」とおっしゃっていましたが、私が受けたはじめの違和感は、ブランド哲学も知らずに「銀座にある高級ブランド」というひとくくりで決めたということです。個人的に制服にブランドを使用することはいけないとは思いません。そのブランドの哲学が学校の校風や理念に相応しいというのであればです。もちろん、値段の問題で賛否両論はありますが、通っている親御さんが納得しているのであればそれで良い、納得していなければ学校と話し合えば良いと思います。今回も泰明小学校の歴史や哲学がアルマーニのブランド哲学となんらかの親和性があるとするならば、もしくはそういった説明があったのならすんなりと納得する向きもあったのかもしれません。そうではなく、「銀座にあるブランドならどこでも良い」というような流れに結果的になってしまい「高級ブランド」や値段のことばかりが注目され、学校の伝統とブランドの伝統、この両者に存在する親和性、共通点といった本質が置き去りになっているのではないかと思わずにはいられません。

■樋口玲子(ひぐちれいこ)プロフィール
1973年 東京生まれ
R.H.mirror 代表

『樋口玲子のファッションを味方につける!』
婦人服メーカー、フランスのインポートブランドを経て、1999年にジョルジオアルマーニジャパン株式会社入社。退職までの12年間で販売からPR、VMD、レディースの買付業務、店舗マネージャーを務める。退職後、男児を出産。2016年にこれまでの経験を活かしてパーソナルスタイリストとしてR.H.mirrorを立ち上げる。『ファッションを味方につける!』をモットーに、なりたい自分になるためのファッション講座、ファッションクルーズのサービスを提供中。それぞれのライフスタイルに合わせて上質なものとプチプラを賢く取り入れながら、個々の魅力を引き出すスタイリングを提案する。
(TechinsightJapan編集部 パーソナルスタイリスト樋口玲子)

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