20年間もビザ無しでニュージーランドに滞在していた72歳のドイツ人の男が逮捕され、国外退去を命じられた。

1990年に旅行目的でニュージーランドに来たこの男は、滞在期限が切れた後もニュージーランドに残り、そのまま20年間、許可を申請することなく滞在していた。
だが、2004年にフォックス氷河近くで発生した傷害事件に関わったとして、警察はその行方を追っていた。

最近になり、カヤックをしようとやって来たマウントクック国立公園で、住民の通報を受けた警察により男は身柄を拘束された。
今年に入ってクライストチャーチで行われた裁判で、男は即刻国外退去するように命じられた。現在彼は祖国ドイツに戻ったとのことである。

特にここ数年、男は主に車で国中を移動し、また車の中で寝泊まりをしていたという。
捜査関係者は、「彼は年金をもらっているわけでもなく、当然働いてもいなかった。一体どのようにして生活手段を得ていたのか全く分からない」と述べている。

日本でいうブラジルのように、多くのヨーロッパ諸国の正反対の位置にあるニュージーランドそしてオーストラリアは、雄大な自然を体験できることもあって、旅行先あるいは移住先としてヨーロッパ人に大変人気のある国々である。
この男は、ニュージーランドの大自然に酔いしれて、しかるべき手続きをすっかり忘れてしまったのだろうか？
（TechinsightJapan編集部　椎名智深）