コアラには人間が想像している以上にサバイバル力が備わっているのだろうか。車にぶつかるもその車体にしがみつき、長旅の末に生き延びたコアラが保護されたとしてオーストラリアで話題を呼んでいる。
「ロ―ンパイン・コアラ・サンクチュアリ」といった有名なコアラ保護区があることで知られる豪クイーンズランド州。ギンピーのガソリンスタンドで現地時間の25日午後、1匹のコアラが保護された。体重は5.75kg、推定年齢は4歳で、“ティンバーウルフ”と名付けられて同州ビーアワーにある「オーストラリア動物園」の獣医の手にゆだねられた。
発見当時のティンバーウルフは車のフロントグリルにガッチリとしがみついており、しかし耐えきれなかったのか爪ははがれていた。ドライバーは「ある時点で何か物体がぶつかってきた記憶がある。そこからは、ブルース・ハイウェイを80kmほど走ってきた」と話していることから、人々は今、痛みに耐えながらも車体に必死にしがみついていたティンバーウルフを「奇跡のコアラ」と称えている。
ただし血液検査でクラミジアの感染が判明したことから、ティンバーウルフの入院期間は数か月になる可能性があるとのこと。地域差もあるが、コアラのクラミジア感染率はここ30年ほどで大変な増加を示していた。感染後は、環境破壊や交通事故などによるストレスで症状が現れ、失明や不妊にもつながっている。7~12月の繁殖期に移動する習性があるため、年間平均900匹のコアラが車にはねられており、ティンバーウルフもこのたびの強いストレスにより重い症状を発症しかねないという。
※ 画像はbrisbanetimes.com.auのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)