スーパーモデルのナオミ・キャンベル。普段キャットウォークを歩く彼女が、厳重な警備に囲まれながら、実に馴染みの無い場所へと姿を現した。その場所とは、「国際法廷」。以前は暴力事件を起こしゴシップ誌を賑わせていた彼女。しかし今回のナオミ・キャンベルは、政治がらみの大きなニュースに巻き込まれている。
「スーパーモデルと戦争犯罪」
何のつながりも無さそうな2つの言葉の組み合わせ。ナオミ・キャンベルが、国際司法裁判所にその姿を見せた。これまで暴力事件ではお馴染みの、彼女。しかし今回は、ナオミが機内で暴れたり、運転手の頭を殴りつけたから、というわけではない。ナオミが出廷したのは、戦争犯罪を巡る裁判である。
というのは、彼女が戦争犯罪に関して重要なキーを握っているためである。もちろん、ナオミ自身が罪に問われているわけではない。今回ナオミが裁判所に姿を見せたのは、あくまで戦争犯罪の証拠を巡って証言をするためである。
もともとこの裁判は、元リベリア大統領のチャールズ・テーラーを巡り行われているもの。チャールズ・テーラーは、かつてリベリア内戦を引き起こし、虐殺などの残虐な行為を行ったことで罪に問われている。
そして、裁判の焦点となっているのは、ナオミがチャールズ側から受け取ったとされるダイヤの存在。というのは、この時の内戦で、チャールズはダイアモンドを売った資金で武器を調達していたとされる。このことから、チャールズによる犯罪行為を裏付けるものとして、ナオミの証言が注目されているのである。
神妙な声色で証言を明らかにするナオミ。彼女の証言によると、チャールズ側の人物2人がホテルの彼女の部屋を訪ねてきたのだという。この時、ナオミはチャールズからディナーに招待されていたのである。そして彼らからダイヤの原石をプレゼントとして渡されたことを、彼女は証言台で明らかにした。
またナオミは、このプレゼントされたダイヤモンドを、チャリティー団体の運営のため知人に渡したとも証言している。しかし関係者の証言には相互に食い違いが見られることから真相の追及にはしばらく時間がかかりそうだ。なお南アフリカの警察では、この彼女の証言を受け、ダイヤの行方について捜査を開始したとしている。
思わぬきっかけから、血生臭い政治の動きに巻き込まれてしまったナオミ。彼女は、これまで身の安全のため、証言台に立つことを拒んできた。しばらくは身辺警護も欠かせないであろう。やはりセレブな彼女が、自分らしくいられるのは、キャットウォークの上なのである。
(TechinsightJapan編集部 クローン中山)