87歳の妻に対し、決して自分から先に「アイ・ラブ・ユー」と言ったことがなかった91歳の病床の夫が、69年の結婚生活で初めて自ら愛を告げた。亡くなる2日前のことで、その瞬間を捉えた動画がTikTokに投稿され、大きな反響を呼んだ。米ニュースメディア『People.com』が伝えた。
今から69年前の1955年5月28日、ポール・ラリエさん(Paul Lallier、91)とメレダさん(Meleda、87)は結婚した。
カナダ東部ケベック州で生まれ育った2人が出会ったのは、メレダさんの母が所有する小さなバーで、ポールさんはその店で用心棒をしていた時だった。2人はお互いに一目惚れで、結婚当時、ポールさんは21歳、メレダさんは18歳という若さだった。
米フロリダ州在住の孫カサンドラさん(Kasandra、23)によると、ポールさんとメレダさんはお互いに愛し合い、自分のことよりも家族を大切にする夫婦で、祖父母とは毎週夕食をともにしたり、毎週末にはバーベキューを楽しんだり、夏には家族みんなでコテージで過ごしたりと、数え切れないほどの思い出を作ってきた。また祖父母は、卒業式、結婚式、結婚記念日なども欠かさずにお祝いをしてくれたそうで、「私たちは固い絆で結ばれている」と明かす。
そのカサンドラさんが、先月30日午前10時頃に姉のビアンカさん(Bianca)から「祖父の容体が急激に悪化している」と連絡を受けて、慌てて自宅に戻った。
その日、ポールさんは普段よりもよく話をしていたそうだ。メレダさんがポールさんに話しかけようと近づく様子を見て、カサンドラさんは「この瞬間を動画に残したら、きっと祖母が喜んでくれるだろう」と思い、カメラを構えた。
当時の動画には、息をするのも苦しそうなポールさんが、