現在、日本国内での販売台数は任天堂のWiiがトップにおり、PS3は第二位。PS・PS2と圧倒的な普及台数でトップに君臨してきた王者の面影はもはやない。
さて、そんなPS3でいまだに期待されているのはPS2ソフトの互換。PS3本体でPS2ソフトが遊べるようにしてほしい。そう望む声は多い。初期型と言われている60GBと20GBのHDDを内臓した型番では、完全互換とはほど遠いもののPS2ソフトが動く。しかし、それ以降に発売された40GBと80GBのHDDを内臓した型番では、PS2互換を完全に捨ててしまった。これによってPS2からの買い替え需要がなくなったとも言われているが、はたしてそれだけが負けた理由だろうか?負けたのはゲーム機と言うにはあまりに高い価格や、ソフトが揃わなかった部分にあり、互換があるからと言って買い替えが進んだかと言えば疑問だ。仮に今、SCEがPS3にPS2互換をつけたとすれば、現状でそんなものが切り札、または戦力となるほどPS3にはソフトが揃っていない事を自ら証明するにすぎない。
趣味にお金を費やすのは誰にでもある事だろう。平気で数万円の品物を次々に購入する人だっている。ただ、ゲーム機というのは大人だけではなく子供も遊ぶものだ。さらにはゲーム機だけではゲームを遊べない。ソフトを購入する必要はあるし、複数で遊ぶなら人数分のコントローラも必要となる。そんな中で発売当初、6万円~7万円もするゲーム機を発売したSCEの無謀な勇気には敬服する。性能面を求めるユーザーがいる事も確かだが、その前にゲームがどれほど幅広い層に遊ばれるものなのか?SCEにはその基本部分から考え直してもらいたいものである。
(TechinsightJapan編集部 林 裕之)