米アイオワ州スーシティ出身の写真家の女性が、27年間にわたり記録してきた両親の写真が話題となっている。写真は、実家を訪ねた女性が帰路につく際に、私有車道で手を振って見送る両親の姿を捉えたものだ。SNSで公開されると、多くの人が感動し、共感のコメントを寄せた。写真が伝える人生について、米ネットメディア『Scoop Upworthy』などが報じた。
写真家ディアナ・ディケマンさん(Deanna Dikeman)は1991年、実家から約640キロ(400マイル)離れた自宅に帰る際、両親が手を振って見送る姿をカメラに収めた。
自然なスナップ写真だったが、ディアナさんはこれをきっかけに27年間、“別れ際に手を振って見送る(Leaving and Waving)”両親の様子を撮影し続けた。
ただ、当初は「別れ際の写真を撮り続けよう」とは考えていなかった。ディアナさんは「写真を撮ったのは、別れ際の寂しさに対処するためでした。そしてそれがだんだんと、私たちの別れの儀式になりました」と明かした。
なお、写真は1991年から2017年10月までの記録で、息子の成長や、父パットさん(Pat)の死後に寂しそうな母ジェリーさん(Jerry)の姿など、家族の人生の節目を映し出している。
ディアナさんは、次のように説明した。
「2009年、父がいない写真があります。父は91歳の誕生日の数日後に亡くなりました。その後も母は別れ際に私に手を振り続けましたが、その表情には孤独が漂っていました。」
「2017年、母は介護付き住宅に引っ越しました。その後の数か月、私は手を振って見送る母の姿をアパートの入り口で撮影しました。そして2017年10月に母は息を引き取りました。」
「母の葬儀が終わった後、私は誰もいない私有車道でもう一枚だけ写真を撮りました。私の人生の中で初めて、誰も私に手を振ってくれる人がいない瞬間でした。」
ディアナさんによると、実家で過ごした後、荷物をまとめて車に乗るとジェリーさんが涙を流すことが度々あったという。そしてパットさんが2009年にこの世を去ると、