夜はオムツを替えるために一緒のベッドで眠るという。そのため李さんは10年間、一日の睡眠時間が4時間程度しかなかったそうだ。
李さんは、今回の投稿を「もう腰も痛くて心が折れそうだ。もう頑張れないよ。親孝行って言うのは簡単だけど、実際にはとても難しいことだ」と締めくくっている。
介護が始まった当初、李さんはまだ若かったこともあって体力的に、経済的にも余裕があり、母親の症状もいずれ改善すると信じていたという。しかし、今年10月に40歳を迎えた李さんは、貯蓄が底を突きそうになり、体力も随分衰えてきていると感じたようだ。
そんな状況に行き詰まってしまった李さんは、イライラして母親に心無い言葉を言ってしまうこともあった。10月19日に投稿した動画では、母親に「早く死んだ方がいい。もう迷惑をかけないでくれ(中略)10年以上も一人で面倒を見てきた僕を可哀想だと思わないのか?」とかなり強い口調で話す李さんの姿があった。
この動画には、「親孝行が第一でしょう」「そんなに酷いこと言わないで」と李さんを非難する声があがった。しかし、今回の土下座して懇願する李さんの姿には、多くの人から次のような声が寄せられた。
「この人の悲しみは、介護を経験した人でないと分からない。」
「私も彼に同情するわ。介護を経験したことのない人には、あなたの素晴らしさが分からないのよ。」
「私も10年以上自分で世話しているんだけど、この人は本当に大変だよ。お金が必要なのに全然稼げないし、これは介護を経験した人じゃないと分からないと思う。」
『中国在宅介護産業発展白書(2021-22)』が今年5月24日に発表したところによると、2021年末時点の統計データでは、国内の高齢者が介護施設で暮らす割合は1%未満だった。また、高齢者の主な介護者は95.6%が家族で、2.8%が家政婦や家事代行サービスに依頼しており、両者を合わせた98.4%が在宅介護を選択していることが明らかになった。そのため同国では高齢化が年々深刻化しているうえに、在宅介護をする介護者へのプレッシャーが大きくなっているという。
画像は『小李歌很坚强 2023年10月25日付 抖音「古人说嗑十二个头能还清父母的生育之情」』『网易 2022年12月30日付「江西新余,90多岁老人因老年痴呆发烧住院,儿子在病房内咒骂推搡」』『腾讯网 2023年10月24日付「这一幕令人动容!怕老母亲晕车,两兄弟轮流用背篼背母亲去医院」』『MINNEWS 2022年1月15日付「A 36-year-old paralyzed man takes care of his 62-year-old paralyzed father. He cooks three meals a day and raises a stray cat.」』『Bailey Rose 2023年8月29日付TikTok「My dad doesnt remember my brother passed away in 2020 due to his dementia」』『Pear Video 2018年1月19日付「老太推脑瘫孙上学,每天8趟走48里路」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)