近隣住民からは疑問の声があがっていた。「ここ数年間で、ルディさんがジャニーさんと一緒に住んでいるのを見た」という目撃情報や、「ルディさんを自宅に招いたことがある」という証言が寄せられており、むしろ行方不明届が出されていた事実に近隣住民らは驚いていた。2018年には親戚が自宅裏でルディさんを見かけたと警察に通報したが、警察官はルディさんを発見することができなかったと報じられている。
地元の活動家であるクアネル・Xさん(Quanell X)は、ルディさんが発見後に運ばれた病院で彼から話を聞いたそうで、病院の前で記者団に対し、ジャニーさんによる虐待の疑いを語っている。「ジャニーさんは『パパのフリをして。あなたは私の夫でなければならないわ』とルディさんに言っていたんです」と、奇妙な事実を涙ながらに説明した。
さらにクアネルさんによると、ジャニーさんは失踪から2日後に自宅へ戻ってきたルディさんに対して、身を隠すように指示していたそうだ。
「ジャニーさんはルディさんに薬物を与え、何度も彼を部屋に閉じ込めて罰していました。そして『警察官は投獄するためにルディを捜している。逃げ出したから牢屋に入れられるんだ』と彼に信じ込ませたのです。」
様々な情報が飛び交う中、事件は急展開を迎えた。ヒューストン警察は今月6日に行った記者会見で、ルディさんは2015年3月8日に帰宅し、それ以来、ジャニーさんと共に過ごしていたという事実を公表したのだ。理由は明らかになっていないが、ジャニーさんはルディさんが戻ってきた事実を隠し、自身の甥であると近所の人々や親戚に伝えていた。またルディさんはこの8年間に警察官と対面したことがあったものの、偽名を使って誕生日も偽っていたために行方不明扱いのままだった。
8年ぶりにルディさんと再会した叔母のポーリーン・サンチェスさん(Pauline Sanchez)によると、ルディさんは「もう母親と一緒に住みたくないし、関わりたくない」と本音を打ち明けたそうだ。
「ルディは精神面での回復が必要です。彼は多くのことを経験し、トラウマを抱えたことで警戒心の強い人になるでしょう。彼は母親のもとに戻りたがっていませんし、会いたいとも思っていません。ですからルディのために何かしなければならないと思っています。」
警察は現在もこの複雑な事件について調査を続けていると公表しており、事実関係の確認を行っている最中とのことだ。一部報道では、ジャニーさんがクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で募金を集めるために、ルディさんを隠していたのではないかと伝えられているが、今月7日の時点で彼女は逮捕されておらず、世間からは「なぜ逮捕しないのか」といった声が噴出している。しかし少なくともジャニーさんは、虚偽の情報を警察に伝えたとして起訴される可能性があるようだ。
画像は『Metro 2023年7月4日付「Teen who went missing walking dogs found alive eight years later with cuts and bruises」(Picture: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)