尾に噛みついたまま離れずにいると、サメは降参したのかそのままウミガメのもとから離れていった。撮影者のジャックさんは最終的にウミガメが食べられてしまうものと思っていたようで、予想外の逆転勝利にかなり驚いたという。彼はメディアのインタビューに応じこのように語っている。
「あの時、3メートルほどの大きなイタチザメが、かわいそうなウミガメを食べようとする真っ最中だったので、子供達にドローンから届く映像を見ないように言ったんです。ところがその後の12、3分間、ウミガメとイタチザメの素晴らしい戦いに魅了され、私たち家族は映像モニターの前に集まってその様子に見入っていました。」
「一歩間違えれば、ウミガメは手や足を失っていたか致命的な咬傷を負っていたところでした。最終的に(サメを追い払って)海岸に沿って悠々とパワフルに泳ぐ姿は驚くべき結果と言えます。」
ジャックさんたち家族はウミガメが思わぬ反撃で自らの命を守ったことに、かなり驚いたようだ。その後ジャックさんは映像を海洋生物学者に見せたところ、ウミガメは尾の形からメスのアカウミガメということが判明した。学術的な研究によると、メスのアカウミガメの素早い動きはイタチザメに襲われた際に有利に働くとのことだ。
また、ジャックさんから映像を見せられた海洋生物学者は、今回のアカウミガメの身を守る行動について、偶然ではなく、この種が既に身につけている能力による行動だと判断したという。ちなみに『New York Post』によると西オーストラリア州では1950年にアカウミガメを絶滅危惧種に指定し保護し続けているとのことだ。
画像は『New York Post 2022年12月7日付「Turtle fights off shark during ocean battle in western Australia」(Jack Garnett via Storyful)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)