鎮静剤により意識を失った母ゾウはなかなか目を覚まさず、この様子を見たチャナニャさんの指示のもとレスキュー隊員らは母ゾウに心肺蘇生を行い始めた。
地面に横になった母ゾウの上に数人が乗り全体重をかけるようにして両手で心臓マッサージを始めたが、ゾウの体があまりにも大きいので効いている気がしない。その傍らでは母ゾウと離れてしまいパニックとなった子ゾウが悲鳴に近い鳴き声を上げており、当時の様子を捉えた動画には必死に排水溝をよじ登ろうとする子ゾウの姿が映っていた。“すぐに子ゾウも救助しなければ”と判断した別のレスキュー隊員らが排水溝の一部をクレーンで掘り、子ゾウが自力で這い上がれるようになだらかな坂を作った。そこから排水溝を脱することができた子ゾウは一目散に母ゾウのもとへ駆けていった。
雨が降る中、レスキュー隊員らが懸命に処置を行っているものの母ゾウはなかなか目を覚まさなかったため、レスキュー隊員の1人がゾウの体の上に立ちジャンプをして大胆な心臓マッサージを行った。この案が功を奏したようで母ゾウは意識を取り戻し、立ち上がると我が子のもとへ駆け寄った。ゾウの親子は互いの無事を確認すると森にかえっていったそうで、この姿を見たレスキュー隊員らは安堵の息をついた。
なお過去にもタイのチャンタブリー県で、オートバイにはねられ瀕死の状態だったゾウの赤ちゃんに救急隊員が心臓マッサージを行い命を救ったという動画がネット上で大きな話題を呼んでいた。
画像は『The Guardian 2022年7月15日付「Elephant and baby saved in dramatic rescue from manhole in Thailand」(Photograph: Taanruuamchon/Reuters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)