あと少し滑り出すのが遅れていたらと考えるとゾッとする映像だ。その後アロックさんのスピードが上がって追い付かないと判断したのか、クマはすぐに走りを止めて森の中へ戻っていった。

2月22日、アロックさんが「旅行の時の動画をいくつか見返していたら…なんて日だ！」と驚きとともにこの動画をInstagramに投稿すると、「オーマイゴッド！」「自分だったらパニックになるよ」「クマに追い付かれなかったのは幸運だったね」など驚愕の声が届いていた。

しかし「これはフェイク動画だよ」と疑いの目を向けるコメントが次第に寄せられるようになった。記者自身が、事実を確かめるためにアロックさん本人に撮影日や当時の心境などを尋ねるべくコンタクトを試みたが、1週間以上が経過しても回答を得ることはできなかった。

ただ問題の投稿の最後に、動画クリエイターのアカウントのリンクが貼り付けられていることが分かった。このクリエイターが自身のアカウントで編集技術を用いた巧妙な動画を多数投稿していることから、今回の映像はこのクリエイターによって作られたのではないかと考察できる。さらにアロックさんはこの投稿の1週間後に自身の新しい楽曲のMVを投稿しており、今回の動画は宣伝をかねて注目を集めるための投稿であった可能性も高い。

近年は映像編集の技術が向上していることから、フェイク動画を作ることを生業としている人も多い。昨年9月にはカメがあり得ないスピードで疾走する驚きの動画がInstagramで話題になった。これはCGを用いたフェイク動画であることが後に判明したが、あまりにもリアルな映像に本物と勘違いする人が続出しネット上は大混乱となっていた。

今回のアロックさんの動画はフェイクの可能性が高いと予想されるが、過去にはハイキング中にクマが至近距離に迫る緊迫の映像や、野生のクマに飛び掛かられる恐怖の映像も話題を呼んでおり、実際に至近距離までクマが近づく危険なケースも発生している。

この投稿をInstagramで見る

Alok(@alok)がシェアした投稿

画像は『Alok　2022年2月22日付Instagram「（Veja até o fim）」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　iruy）