その後ジョンは駆けつけた警察官に逮捕されたと報じられている。ジョンは盗みを否定しており、警察官らに「人種差別だ」と訴えていたという。
今回警備員たちは待ち構えていたかのようにジョンのもとに現れたが、これには理由があった。スタッフによるとジョンは同店で過去3か月間に22件の万引き行為があり、被害総額は6000ドル(約69万円)相当に上るという。昨年には入店禁止の通達が出されていたが、それでも懲りずにやってきたジョンの姿を発見した警備員らが彼の行動を注意深く見守っていたようだ。
ジョンは1985年まで遡ると、第4級暴行罪と第2級強盗罪やコカイン所持などの犯罪を計32件も起こして起訴されていると裁判にて明かされた。これを受けてキング郡の検察はジョンに5000ドル(約57万円)の保釈金を要求したが、担当したクルジンダー・ディロン裁判官(Kuljinder Dhillon)は保釈金なしでジョンを釈放する判断を下した。
クルジンダー裁判官は以前から寛容すぎる対応で批判を浴びており、過去には警察官の目をえぐり25000ドル(約287万円)の保釈金を請求されていたホームレスの男に対し、わずか1000ドル(約11万円)の保釈金で釈放させていた。
検察側は「これではジョンが再び罪を犯すだけだ」と訴え、先月26日には別の裁判官であるメリンダ・ヤング裁判官(Melinda Young)よる判断を仰いだ。しかしメリンダ裁判官もクルジンダー裁判官と同じ考えだったようで、ジョンは保釈金なしで釈放されることになった。
キング郡検察庁の広報担当者であるケイシー・マクナーズニーさん(Casey McNerthney)は「私たちは繰り返される被告人の行動パターンを懸念しており、今後も続くと危惧していますとコメントした。
このニュースを見た人からは「この裁判官は3年間のロースクールを無駄にしたみたいだ」「こうした判決は国民の犠牲が伴うのだから、裁判官は責任を負うべき」「この裁判官たちは、自身が被害者になったら態度を変えそうだね。自分が影響を受けないのだからこうした判断を下すのは簡単だよ」と2人の裁判官に対して不満の声が噴出している。
画像は『New York Post 2022年1月27日付「Man steals huge 70-inch TV from Seattle store, released without bail by lenient judge」(Target surveillance video)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)