DNA検査を受けることに同意したという。その結果、キャサリンさんとジルさんとの血縁関係が確認され、さらにジルさんはブリスター夫妻(Joyce and John Brister)に育てられていたことも明らかになった。
これらの事実が判明した時、胸が締め付けられるようだったと話すティナさん。自分で確信が持てるまではキャサリンさんに打ち明けたくないと思っていたそうだが、実際にジルさんと会って話すとその関係が否定できないものだと分かったという。
キャサリンさんはその事実を告げられた時のことをこう振り返っている。
「最初はその話を信じられず、ティナに何度も『私の娘はあなたよ』と言いました。でもジルの写真を見せられた時に『これはどこで撮った写真? 私はこんな服持ってたかしら?』と思うほど私とそっくりだったのです。本当にショックでした。実の娘の誕生日、クリスマス、卒業式、結婚式を祝うことができなかった罪悪感に苛まれ、そしてティナや孫たちと血が繋がっていないことが何よりショックで…。娘と孫を同時に失うような気がしました。」
一方のティナさんは実の両親であるブリスター夫妻が数年前に亡くなったことにショックを受けており、その胸のうちをこう明かしている。
「きょうだいとは確かに似ていないと思っていましたが、自分の居場所がないと感じたことはありません。でも実の両親に会うことができなかったのは残念です。ジルやジルの家族が写真を送ってくれたり、話を聞かせてくれたりしますが…ジルは実の母親に会えたのに私は会えないなんて、考えれば考えるほどすごく悲しくなります。」
衝撃の事実が発覚してから3年近く経った今でも、自分の気持ちやお互いの存在意義について悩んでいるという3人は、57年前の無謀な行為により精神的苦痛を与えられたとしてダンカン・リージョナル病院を提訴した。
病院側は2人の女性が生まれたダンカン医科外科病院は1975年まで別の組織だったため責任はないと主張したが、先月の裁判ではその主張が却下されたという。
画像は『New York Post 2022年2月21日付「Women discover they were switched at birth 57 years ago after taking DNA test」(Courtesy of @TINA.JONESENNIS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)