それが全て同じ青い箱だったのだ。
マイクさんは「最初に1つのバッグが出てきてそれを男性が持っていったのですが、それから青い箱が1つ出てきて、それに続いて他の箱も現れたのです」と当時を振り返る。
当初マイクさんや他の乗客たちは「第2陣で自分たちの荷物が来るのかも」と期待して待っていた。しかし次から次へと青い箱が連続で流れてきたため、それまで紳士的な態度で待っていた人々は怒りをあらわにし始めたという。
マイクさんも「誰が24、25、26個もの冷凍の魚が入った箱をラルナカ(キプロス共和国の空港がある場所)から持ち帰るんだ!?」と憤った。
近くにいたスタッフたちはこの状況に気付いておらず、ベッカさんがスタッフに状況を伝えると困惑した様子でベルトコンベアの方へ駆け寄っていたという。
マイクさんによると青い箱は少なくとも100箱は流れてきたそうで、それぞれの箱には中に入っている魚の種類と“JFK”の文字が書かれていた。“JFK”とは米ニューヨーク州のジョン・F・ケネディ国際空港のことで、この青い箱はアメリカまで運ばれるはずが手違いでヒースロー空港に降ろされてしまったのだ。
その後、航空会社「ブリティッシュ・エアウェイズ」のスタッフは乗客たちの荷物をすぐに手配することができず、荷物は2日後に返却すると伝えられた。そして乗客たちはクレーム用の申請用紙を受け取り、手荷物なしで一度帰宅するように勧められたという。
荷物を受け取れなかった乗客の中には、赤ちゃんを連れた女性もいた。受け取れなかった荷物の中に赤ちゃんのミルクやオムツが全て入っていたといい、当然のことながら激怒していたそうだ。
ベッカさんは「なぜこの魚の入った箱を運んでいた人が『5番ターミナルに持っていくべきものではない』と思わなかったのか、理解できません。こんなこと不可能ですよ」と苛立ちを抑えられない様子でコメントしている。
今回の件で同航空会社は謝罪の言葉とともに「同便に搭乗したお客様のほとんどが荷物を受け取りました」と公表しており、荷物は無事に持ち主のもとへ返されたようだ。
なお今年8月にはアメリカで、バゲージクレームに生の鶏肉の塊が流れるという珍事が発生していた。パンデミックの影響で長らく仕事を離れていたスタッフたちも、仕事の感覚を取り戻すのに苦労しているのかもしれない。
画像は『Dorset Live 2021年11月3日付「Baffling conveyor of frozen fish greets Dorset family instead of their luggage」(Image: Mike Braunholtz)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)