数分後に振り込んだという。
しかし3回目、2120ポンド(約32万6000円)の支払いを要求されたテレサさんはさすがにおかしいと感じたそうだ。
「もうすでに2回、合計6572ポンド(約101万円)振り込んでいるんですよ。『もっと払って』と言われて『ない』と答えると、『今ある分だけでいいから払って』と言われて。その時、私は娘らしくないなと思いました」と明かすテレサさんは、仕事中のルイーズさんの代わりに夫である義理の息子に連絡を取った。
そして詐欺の被害に遭っていたこと、すでに完了した2つの振り込みを止めるには遅すぎたことを知り愕然としたという。
「何が起きたか知った時には胃が痛くなったし、その詐欺師が孫の名前を知っていたことがとても心配になりました。本当に気分が悪くてむなしくて…どうして私はこんなにも愚かだったのだろうと思いました。これは私の全財産で、60歳の誕生日にラスベガスやニューヨークに行く予定で貯めてあったお金です。一生に一度の旅行だったのにcovidで延期になった上に、もうなくなってしまいました。普段は気をつけているのに、純粋に娘だと思って油断していました。」
そう明かすテレサさんは、このように続けている。
「詐欺師も馬鹿ではありません。お金はその口座からすぐに引き出されて、私のお金はずっと前になくなりました。彼らはまだ捕まっていません。これは本当に私に起こったことなのか…といまだに考えてしまいます。このことは友人や家族、知人にも話しましたが、この手の詐欺がいかに多いか実感しました。何はともあれ、私は今回起きたことを認識してもらい、他の人が騙されないようにしたいと思っています。『私は騙されない』という人もいるでしょう。そうであれば嬉しいのですが、せっかく稼いだお金を失った人もいるんです。私は今、この経験をもとに声をあげることで意識を高めていきたいと思っています。」
なおテレサさんが利用していたサンタンデール銀行(Santander)の広報担当は、この事件を受け次のように注意喚起した。
「WhatsAppなどのメッセンジャーアプリを使って、詐欺師が家族や友人を装い被害者を騙すことは懸案事項のひとつです。常に新しい詐欺が発生しているため、怪しいと思ったら今まで以上に疑うことが重要です。また誰かから予期せぬ支払いを要求された場合は、少し時間をかけて本物かどうかを確認してください。」
画像は『The Mirror 2021年11月19日付「Gran loses £6,500 after ‘fraudster pretends to be her daughter in WhatsApp messages’」(Image: Caters News Agency)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)