世の中には愛という“餌”をちらつかせて異性に近づき、相手から金品を騙し取る結婚詐欺を働く悪人がいるが、イギリスの女性は結婚を約束していた英国情報機関「MI6」の秘密工作員だと名乗る男に多額の金を騙し取られた。彼女は自殺まで考えたという。『The Sun』『Mirror』などが伝えている。
イギリス出身のキャロリン・ウッズさん(Carolyn Woods、63)の著書『Sleeping with a Psychopath』が4月29日に出版され、彼女を巧みに騙して金を奪った結婚詐欺師の男の大胆な手口が明らかとなり話題になっている。
2012年のこと、当時54歳だったキャロリンさんは、離婚した後にバッキンガムシャーの自宅を売り払ってコッツウォルズのテットベリーに引っ越した。2人の娘も成人して独立していたことから、長年勤務していた製薬会社を退社し、彼女は新天地で気ままな独身生活を楽しんでいた。
そして同年のある日、当時キャロリンさんが務めていた衣料品店にひとりの紳士がやって来たそうだ。この男がマーク・コンウェイ(Mark Conway、47)で、彼が金を騙し取る結婚詐欺師だったとキャロリンさんが知るのはずいぶん後のことだった。
キャロリンさんによると、マークは「現在46歳のバツイチでスイス銀行に勤務している」と話していたという。2人は初対面にもかかわらず話が弾み、お互いの連絡先を交換して翌日には夕食を共にしたそうだ。
そして出会って2日目に、キャロリンさんはマークから愛の告白を受け、4日目にはある豪邸の前で車を停めたマークから「君と一緒に暮らすためにこんな家を購入しようと思っている」と告げられた。キャロリンさんは彼の言葉に驚いたものの、嬉しかったとも明かしている。
こうして2人の交際は順調に進むかに見えたが、度々マークと連絡が取れずしばらく会えない日があった。不審に思ったキャロリンさんがマークを問いただしたところ、「自分はMI6で英国の諜報員。スイス銀行に勤務というのは仮の姿だ」と答えたという。
さらにMI6は恋愛はご法度で、結婚するには仕事を辞める必要があり「退職まで1年半かかるが、それまで結婚を待って欲しい」と言われたそうだ。
その後マークは、キャロリンさんに「2人で暮らすためにバースにある家を買う」と言い出した。大喜びしたキャロリンさんだったが、