ハートマンはYouTubeチャンネルやSNSを通じてカーメルちゃんへの支援を求めていた。その結果、過去4年間でクラウドファンディングサイト「GoFundMe」を通して1万5661ドル(約171万円)の寄付を受けて車椅子対応の車を購入し、教会の募金活動で3万583ドル(約335万円)を得ている。
さらに2019年にはカーメルちゃんとミアちゃんの要望という名目のもと、オレゴン州の馬牧場で5日間過ごすための費用の支援を、難病の子供を支援する団体「メイク・ア・ウィッシュ」から受けていることが分かっている。
しかしこのハートマンの行動を不審に思ったシアトル小児病院の院長であるレベッカ・ウィスター氏(Rebecca Wiester)が病院内の調査のもと、今年2月19日に他の医師らと連名でワシントン州児童青少年局にハートマンについて調査依頼の文書を提出した。
文書には不必要な治療や手術によってカーメルちゃんが衰弱していることが綴られており、文末には「これは医療を利用した児童虐待である」と締めくくられていた。これによりカーメルちゃんはハートマンのもとから離れて16日間の検査を受けることとなった。
その結果、カーメルちゃんの疾患を裏付けるような所見や症状は一切なかったことが判明した。また医師は、何度もハートマンに対して「カーメルちゃんに下肢装具や車椅子は必要がない」と診断していたにもかかわらず彼女はそれらの使用を止めることはなかったそうだ。
そして今年3月、ハートマンはカーメルちゃんの保護者としての権利を外された。のちに当局の調べでハートマンは、知人に「カーメルはいつだって逝くことができる」と話していたことやインターネットで「葬歌」や「障害を抱えた家族がお金を得る方法」を検索していたことが明らかになった。
ハートマンは第2級児童虐待などの容疑で起訴されたものの、弁護士を通じて「医師らの申し立ては虚偽である」とし、カーメルちゃんに医学的に必要のない治療や手術をしたことを真っ向から否定している。
画像は『New York Post 2021年5月30日付「Mother accused of forcing adopted daughter into surgery, treatments」(YouTube)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)