子供が健康そのものであるにもかかわらず、数々の病気を主張し我が子の体を傷つけ、7年にわたり323回の病院訪問を繰り返し、不必要な手術を13回も受けさせた母親がこのほど逮捕された。母親の言動に最初から疑いを抱いていた子供の父親は、裁判所や児童保護サービスに度々訴えるも全く受け入れられなかったという。『Fort Worth Star-Telegram』『CBS Local』『6abc Action News』など複数の米メディアが伝えている。
米テキサス州ダラスに住むライアン・クロウフォードさんは、短期間の交際でケイリーン・ボウエン(34歳)が妊娠して以来、生活が一変した。クリストファー君(現在8歳)を身ごもったケイリーンは、毎回違う病院からあれこれ理由をつけてはライアンさんに電話して体調が悪いことを訴えた。真夜中でも構わず連絡してくるケイリーンに対し、ライアンさんは「ただ自分の気を引くためにやっているんだろう」くらいにしか思っていなかったが、時が経つにつれ彼女の行動に疑問を抱くようになった。
事態が深刻だと気付いたのは、2009年4月にクリストファー君が誕生した時だった。妊娠33週目の早産で産まれたクリストファー君のことを「具合が悪い」と度々ライアンさんに話すようになったケイリーンは、「息子は稀な遺伝子疾患を抱えている」と複数の病院でも虚偽の供述をし医師らに治療を求め、クリストファー君には酸素吸入器を装着させた。また「息子が食事をしない」と主張し、小腸に直接チューブ(カテーテル)を通して栄養を注入する手術を受けさせ、一時は車椅子にまで乗せていたという。
2009年から2016年の間に、ケイリーンがクリストファー君をダラスやヒューストンにある病院や小児センターに連れて行った回数は323回にのぼり、健康体の息子に13回もの手術を受けさせてきた。その間、肺移植リストへの登録を試みただけでなく、今度はがんを患っていると主張しクリストファー君をホスピス(緩和ケア)にも入れていた。
クリストファー君はまったくもって不必要な手術により、生命を脅かす血液感染症にかかってしまった。その間、ライアンさんは「息子は病気ではない」ということをダラス郡家庭裁判所で毎回訴え続けてきた。しかし同裁判所の判事らはライアンさんが提示する新しい証拠を無視したうえにケイリーンの主張だけを一方的に信じており、ある判事は2012年に3歳になっていたクリストファー君との面会をライアンさんに禁じた。
「裁判所ではいつも同じことの繰り返しでした。ケイリーンは『クリストファーが死ぬ』とばかり涙ながらに言い、父親の私は子供の面倒をきちんと見ることができないので、そばにいる必要などないとも話していました。裁判所を訪れるたびに、私はまるで自分が最低の人間のように思わせられました。」
ライアンさんは一緒に暮らしていなかったものの、クリストファー君が産まれてからは毎月養育費として600ドル(約67,000円)をケイリーンに渡していた。我が子を思う気持ちは変わらないライアンさんは、裁判所から息子との面会を禁じられたことで2013年にはうつ病も患った。一方でケイリーンはクリストファー君の医療費のために寄付金サイトまで設置し、