我が子を病気と偽り寄付金を搾取しようとする呆れた親が存在する。このほどスペインでも過去6年にわたって娘の病を誇張して寄付金を集めていた夫婦が逮捕され、それぞれに懲役刑が下されたという。『BBC News』『Metro』などが伝えている。
スペインのカタルーニャに暮らすフェルナンド・ブランコ(53歳)と妻マルガリータ・ガローは、2010年から2016年にわたり娘ナディア・ネレアさん(14歳)の病を誇張し、スペインのメディアを通してアメリカでの高額な治療費を寄付してほしいと訴えた。
当時、娘の病状を必死に訴えるフェルナンドの姿を見た人々は、寄付を募るためFacebookやTwitterアカウントを設置し、セレブの協力も得て寄付金を集めた。その額422,000ユーロ(約5,400万円)にも上ったが、結果として夫妻が娘に使った医療費は2万ユーロ(約260万円)のみであることが後に判明した。
ナディアさんの病は稀な遺伝子疾患の「硫黄欠乏性毛髪発育異常症」と呼ばれるものであり、これは光に過敏で毛髪や爪の健康状態が悪く、知的・発達障害がみられ、感染症に陥りやすく早期死亡の可能性を高める様々な症状を引き起こす病とされているが、症状を管理することができても治療法はなく、急を要する危険な状態というものではなかった。しかし夫婦は複数のメディアで寄付を呼びかけ、フェルナンドは「既にパリとヒューストンで娘は高額な手術をした。しかしアメリカでの治療を受けさせてやりたい。私はあらゆる場所を訪れて娘のために最高の専門医を探した。アフガニスタンの洞窟に住む著名な遺伝学者のもとへも訪ねた」と訴えていたが、