店内にはレオナと父親、女性オーナーの3人だけになった。すると女性は動揺してカウンターの後ろに走っていき、『今すぐ店を出なければ警察を呼ぶ』と言い出したそうだ。
「それで私の怒りに火がついたの。そしてこう言ったわ。『商品は戻さない。買うわよ。なぜ、私をターゲットにするの?』ってね。」
その後もレオナの怒りは静まらず、同じような経験をしたことがある父親は娘を落ち着かせようとしたという。しかしこのことが彼女をさらに怒らせたそうだ。
「結果的に父親は、私を店の外へと連れ出したわ。角に止めてある車に乗り込んだとたん、私は嗚咽してしまって。すると父親は車から何か取り出して、あの店へ戻って行ったの。」
父親が持って行ったのは、なんとレオナのCDだった。これに驚いた女性はレオナのもとに来て「ごめんなさい、あなたが誰だか知らなかったの。ただ怖くて、あなた達が商品を持って行くと思ったの」と謝罪したが、人種差別をしたことは否定したという。
レオナは「人種差別よ。私と父をターゲットにしたわ。私たちが黒人だから、店を追い出そうとしたのよ」と女性に抗議したと言い、このように続けている。
「彼女は、私達が黒人だから、黒人は万引きすると思ったのよ。条件付けよ。ダークな肌の色をした人は、何か悪いことをするというね。」
「これが人種差別よ。人々はイギリスでは問題ではないと言うけれど、大きな間違いよ。あの店にいた白人達は、嫌気がさして店を出た。間違っていると知りながらね。誰も何も言わなかった。そして状況は悪化したわ。」
「声をあげるべきよ。人種差別が起きていることを認めなければならない。認めないということは、私達の痛みや人間性を抹消していることなのだから。」
レオナ・ルイスはロンドンの貧困地区であるハックニー出身で、白人の母親と黒人の父親との間に産まれた。音楽があって、歌手、ミュージシャンであることが心の支えだと話している。
画像は『Leona Lewis 2020年3月6日付Instagram「Reunited with my boo @calumscott」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)