残り4本の指だけでは余計な圧力がかかり歩行は容易ではなくなった。やがて2番目の指に潰瘍ができ、その皮膚を覆うように硬いタコができた。こうして知らず知らずのうちに指の骨の感染症が進み、2番目の指の切断も余儀なくされた。
それ以降2年間は、3本の指だけでなんとかやり過ごした。「自分はまだ運がいいほうだ」と前向きに思うようにしていたヴィクトリアさんだったが、再び体の具合が悪くなった。毎朝嘔吐するようになり、頻繁に高熱が出た。しかしレントゲン検査でも感染症の兆候は見られず、医師は「被害妄想から来る反応」と伝えていただけだった。それでも体調が良くならず、最終的に足病医がヴィクトリアさんの血液サンプルを採取し検査したところ、またしても感染症を起こしていることが発覚、加えて体内の白血球の数が異常に増えていることが判明した。
2016年11月、医師はヴィクトリアさんの3番目と4番目の右足の指を切断した。この時、なぜか医師は小指を切断せずにそのまま残しておいた。しかし歩くたびに小指に圧力がかかり、頻繁にぶつけたりするようになった。昨年、靴下に液状のシミがついているのを発見したヴィクトリアさんは、傷口が見当たらなかったものの再び数回にわたり血液検査およびレントゲン検査をしてもらったところ、小指の骨が感染症を起こしていると言われ、11月に小指を切断する手術を行い、結果的に右足全ての指を失ってしまった。
度重なる感染症で5年の間に5本の指を失い、しばらくは足をさらけ出すことを躊躇っていたヴィクトリアさんだったが、ようやく最近になって辛さを乗り越えることができたという。現在のヴィクトリアさんはInstagramに足の写真を投稿しており、このように話している。
「タイに行ってフィッシュ・スパをした時、オーナーがセットしてくれるのを見ていたし、水もすごく綺麗に見えたんです。だから何も心配しなかったのですが、こんな結果になってしまいました。でも5本の指を切断した今は、これまでにないぐらい健康的です。感染症で命を落とす人もいるから、私はまだ運が良かったほうでしょう。Instagramに写真を投稿することによって再び自信を取り戻せるようになったし、切断手術をした後でその傷跡に悩んでいる人たちにも、私の投稿がポジティブなインパクトを与えられたらと思っています。」
ちなみにフィッシュ・スパは、施術用の水槽が頻繁に殺菌消毒されていないことや同じ魚を別の客にも使うこと、さらに淡水魚や水中に潜むバクテリアによる感染症のリスクがあることが度々伝えられている。
画像は『The Sun 2018年9月13日付「HOLIDAY FROM HELL Woman’s horror after visit to Thai fish spa left her foot with flesh-rotting infection that required her toes to be amputated」(IMAGE: VICTORIA CURTHOYS / MDWFEATURES)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)