エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】バナナマン設楽、大手ゲームメーカーでの決断に実感「ルールは大事だが気持ちも必要」

バンダイナムコゲームスで会議が行われた。

社員たちから「そういう相談が1人ではなく100人きたら全部対応するんですか?」「バンダイナムコだけの問題ではなく、プラットフォーマー(ハードウェアメーカー)の許諾も必要かと」「発売前のゲームソフトを渡すのならば、機密保持契約を結んだ方がいい」などの意見が出る。

そんな声に机を叩いて「お前ら、いい加減にしろよ!」と一喝したのが澤田さんだった。彼は「お前ら何をくだらない議論や確認をしてるんだ! 本人にとってはあとたった3週間しかないんだぞ! だったら、俺たちが選択するのはひとつに決まってるだろう!」と訴えた。

そして、中田理生さんに「中田! 少年のところにいって試作品をプレゼントして来い! 思う存分楽しんでもらうんだ!」と命じ、「いいいかみんな、これは俺の独断指令だ。誰に何を言われても『僕は何もわかりません。澤田さんに言われてやっただけです』と答えろ」と念を押したのである。

洋くんに『.hack//G.U.』をプレゼントした10年後、中田さんからその真相を知らされた松山さんは「あの澤田さんが」と驚き、定年退職してパン屋を営む澤田さんを訪ねた。相変わらずぶっきらぼうで「そんな昔のことは覚えてねぇよ」という澤田さんだったが、別れ際に「洋くん、よかったな」と呟いた。

松山さんは10年ぶりに洋くんと再会、30歳を過ぎた彼は結婚して子どももいた。一家に相談して取材を続け2017年11月、1本のゲームソフトと少年を巡る出来事をまとめた本を書き上げる。

そうした経験から「サイバーコネクトツー」の社員に「この仕事をしていてたまに思うことがある。我々がやっていることは本当に意味があるのか?」と話す言葉にも実感がこもっていた。

「ゲームソフトなんて誰も欲してはいないのではないか? でも、俺らがやってるこの仕事は、このエンターテインメントは、やっぱり意味があるんだよ。悩んで苦しんでモノを作っている日々の果てに、完成した作品を楽しみに待ってくれている人が必ずいる。そういう人達の勇気や希望になっているんだ。」

「俺は心からそう思うし、一緒に作ったみんなのことを誇りに思う」という松山さんの思いはしっかり伝わっていたようだ。

VTRに見入っていたバナナマン設楽は、澤田さんによる決断を「ルールが大事というのは分かる。でも、それプラス気持ちが入ってこそ成し得ることがある」との趣旨でコメントする。

また、剛力彩芽は「松山さんが語っていた、自分たちがやっている仕事の意味」が心に響いたという。設楽もがむしゃらに仕事をしていて「何をやってるんだろう?」と迷った時に、他の力で気づかされ初心に戻れたりするものだと共感していた。

オンエア後には視聴者から様々な感想がツイートされており、「震災の時にお笑いなんて不謹慎と言われたけど、実際被災者を癒したのはお笑いやゲームの娯楽だった。漫画も映画も人生に無くていいものは、必ず誰かの助けになる」という声も見受けられた。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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